
カナダのサーキュラーエコノミー型プラスチック製造アデュロ・クリーン・テクノロジーズは5月8日、ケベック州の農業資材廃棄物管理に特化した生産者責任団体Cleanfarmsとの間で、覚書を締結したと発表した。同社のケミカルリサイクル技術「Hydrochemolytic」を活用し、農業資材の大規模リサイクルを検討する。
同社のHydrochemolytic技術は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)をナフサ・クラッカーに投入する原料に転換でき、ポリスチレン(PS)についても新たなポリスチレン原料へ転換できる。
今回の覚書では、これまでリサイクルがされてこなかった農業用のサイレージフィルム、ベールラップ、穀物袋、ネット、麻ひも等に着目。カナダでは、農業セクターから年間推定62,000tのプラスチックが廃棄され、その多くが埋立や焼却が行われている。国連食糧農業機関(FAO)によると、2019年時点で、農業バリューチェーンにより約1,250万tのプラスチックが使用されている。
Cleanfarmsは、カナダの拡大生産者責任(EPR)制度に基づく農業資材廃棄物処理事業を展開し、すでにカナダの複数の州で200以上の加盟企業や2,000以上の回収ネットワークと協力。2023年には、23L以下の農薬・肥料容器の回収率87%を達成している。その中で、リサイクルが難しいプラスチック製農業資材を、アデュロ・クリーン・テクノロジーズのHydrochemolytic技術を活用し、炭化水素製品に変換することを着想した。Cleanfarmsは、事業ブランド名の「AgriRÉCUP」で知られている。
今回の発表では、共同研究を3段階で進める。まず、フェーズAでは、Cleanfarmsから提供された代表的な農業プラスチック廃棄物サンプルを基に、アデュロ・クリーン・テクノロジーズがラボ規模の試験を実施。サンプルでは、混合サイレージフィルム、ベールラップ、穀物袋、ベールネット、ポリプロピレン麻ひも等を用いる。特に、土壌、有機物、水分による実際の汚染レベルを反映するために、収集された未加工のサンプルを用いる。
フェーズBでは、スケールアップとプロセス・モデリングを行う。アデュロ・クリーン・テクノロジーズは、次世代パイロット・プラントに向けた運用フローを固めるため、Cleanfarmsは大量の現場グレードの農業用プラスチックを供給。連続フロー下でのシステム性能を評価し、前処理の必要性を調査し、運転の安定性を評価する。フェーズBまでが今回の覚書の必須事項。
フェーズCは、フェーズAとBが成功した場合、アデュロ・クリーン・テクノロジーズが検討する量産プラントに向けた原料評価を実施する。
【参照ページ】Aduro Clean Technologies and Cleanfarms Sign Memorandum of Understanding to Collaborate on Development of Commercial Pathway for Challenging Agricultural Plastics
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