
国際司法裁判所(ICJ)は7月23日、気候変動対策を国家の義務とする勧告的意見を発出。気候変動対策を行わないことは、国際法上の国家責任不法行為を構成すると回答した。勧告的意見には法的拘束力はないが、国際法上の解釈として大きな意味を持つ。
ICJは、各国政府からの提訴に基づく紛争解決の他、国連の主要機関や各種機関の要請に基づき、法的見解を伝える勧告的意見を発出する機能も果たしている。勧告的意見は、ICJの作業の20%を占めており、最も多いのは国連総会からの要請。
今回の勧告的意見は、国連総会の意思を受けて、国連事務総長が2023年4月にICJに対して提出した要請に基づくもの。国家に義務付けられている国際法上の気候変動対策義務と、義務履行違反に対する国家責任の2つについて勧告的意見を求めていた。
ICJは今回、気候変動対策の国家義務を定めた各条約に言及しただけでなく、人為的な温室効果ガス排出から気候システムおよびその他の環境の保護を確保することが、国際慣習法上の国家義務と認定。当該国家義務には、「共通の責任とそれぞれの能力に応じて、適切な注意を払って行動し、自国の管轄下または管理下で行われる活動が気候システムおよびその他の環境の構成要素に重大な損害を与えることを防止するため、利用可能なすべての手段を講じる義務」と「気候システムおよびその他の環境の重大な損害を防止するため、相互に善意をもって協力する義務」の2つを挙げた。
国際慣習法上の義務や責任については、条約に未加入の国にも適用される。
また、当該義務の履行を怠った場合には、不作為として国家責任が追及されうるとした。具体的には、「継続中の不法な行為または不作為の停止」「違法な行為または不作為の再発防止に関する保証の提供」「因果関係が十分かつ直接的に立証できる等の国家責任法の一般条件が満たされる場合には、被害国に対する完全な賠償(返還、補償、満足)」の3つを例示した。
【参照ページ】Obligations of States in respect of Climate Change
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