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【スウェーデン】SSAB、LKAB、バッテンフォール、CO2フリー製鉄プラントの実証運転開始

 スウェーデン鉄鋼大手スウェーデンスティール(SSAB)、スウェーデン鉄鉱石採掘LKAB、スウェーデンのエネルギー大手バッテンフォールの3社は8月31日、化石燃料を一切用いない製鉄の実証プロジェクト「HYBRIT」での生産を開始すると発表した。2018年6月に建設を開始し、予定通り2020年中の運転開始にこぎつけた。

【参考】【スウェーデン】SSAB、LKAB、バッテンフォール、化石燃料フリーの製鉄実証プラント建設開始(2018年6月27日)

 同プラントでは、SSABとLKABが石炭の替わりに水素を用いた「直接還元(Direct Reduction)」製法を用いて、パレット上の純鉄を生産する。この手法で生産した鉄は日本では「海綿鉄」とも呼ばれる。また、水素生産や製鉄プロセスで用いる電力は、バッテンフォールが水力発電や再生可能エネルギーを通じて供給する。山間部の多いスウェーデンではもともと水力発電の割合が高い。この製法を用いると、二酸化炭素を排出せず、副産物は水だけとなる。同製法で本格的な製鉄所が誕生するのは世界初。

 実証テストは、2020年から2024年まで実施。最初は、水素の代わりに天然ガスを注入し、直接還元法式との比較用のデータを取得する。さらに潤滑油でも、石油由来の油ではなく、バイオオイルを活用する実証テストも2021年まで行う。パイロットプラントの近くには水素貯留設備も建設する。

 同プロジェクトは、スウェーデンの二酸化炭素排出量を10%、フィンランドでの排出量を7%削減できる技術になると期待されている。同プロジェクトは、スウェーデン・エネルギー庁が支援しており、開所式にはスウェーデンのステファン・ロベーン首相、同イサベラ・ロヴィーン環境・気候相兼副首相も出席した。

 SSABは、二酸化炭素を一切排出しない製鉄の商業生産を2026年までに開始し、2045年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するという目標を掲げている。

【参照ページ】HYBRIT: SSAB, LKAB and Vattenfall to start up the world’s first pilot plant for fossil-free steel

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