WBCSD(The World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)は10月1日、化学業界に関わる顧客やステークホルダーが、より十分かつ信頼できる情報を基にして持続可能な選択をできるように、新たなガイドライン”Life Cycle Metrics for Chemical Products(化学製品のためのライフサイクル測定法)”を作成したと発表した。このガイドラインはWBCSDが推進するReaching Full Potentialプロジェクトに参加している大手グローバル化学企業らが協働して作成したものだ。
同ガイドラインの主な目的は、化学製品の製品ライフサイクル測定に基づき、化学企業やその顧客、ステークホルダーらが、製品がもたらす環境フットプリントについてより信頼性の高く、比較可能な情報を提供・交換できるようにすることだ。
WBCSDによれば、化学業界の重要な役割はバリューチェーン全体を通じてサステナビリティ向上を実現することだが、真にサステナブルな製品が中心となる市場を作りだし、WBCSDの掲げるVision 2050(9 billion people living well within the limits of the planet:90億人が地球の限りある資源の中でよく生きる)を実現するためには、より広範な課題において、信頼できる情報を交換する必要性があるという。
なお、Reaching Full Potentialプロジェクトの参加企業は引き続きより優れた化学業界向けサステナビリティ測定法の開発に取り組む予定だ。同プロジェクトは現在、化学製品のもたらす影響や利益について、環境面だけではなく社会的観点から評価するガイドラインの作成にも取り組んでおり、2015年後半には完成する予定だ。
WBCSD の代表を務めるPeter Bakker氏は「製品の環境面における共通の評価ガイドラインを作成することは、WBCSDの化学業界における継続的な取り組みを大きく前進させる重要なステップとなる。このガイドラインにより、化学企業がサプライヤー企業と共通言語を用いてコミュニケーションをとれるようになり、バリューチェーン全体のサステナビリティ向上を実現するソリューションの拡大につながる」と語った。
また、Royal DSM NV社のCEOであり、WBCSD Reaching Full Potential Projectの共同代表も務めるFeike Sijbesma氏は、「我々の産業は、より持続可能な世界の実現に向けて、環境フットプリントを削減し、気候変動に立ち向かうことにコミットしている。我々が共同で作りあげたこの新たなガイドがあれば、我々は次のステップに進むことができる。DSMでは引き続き、サステナビリティを我々の展開する全ての活動に統合し、測定する機会を追求していく。我々は化学をよい輝かしい世界を創造するために使うのだ」と語った。
なお、今回ガイドラインを作成したReaching Full PotentialプロジェクトにはAkzoNobel、BASF、DSM、Cefic、Eastman Chemical、Evonik Industries、Henkel、SABIC、SCG Chemicals Company、Solvay、Mitsubishi Chemical Holdings Companyが参加しており、PricewaterhouseCoopers.が支援している。
【ガイドラインダウンロード】Life Cycle Metrics for Chemical Products
【団体サイト】The World Business Council for Sustainable Development
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