英国DEFRA(環境食料農村地域省)は5月21日、英国企業による環境保護関連支出状況をまとめた年次報告書、"Environmental Protection Expenditure (EPE) survey 2013"を公表した。同報告書によると、英国企業による環境保護への支出はここ毎年増加しており、2013年度は約27億ポンドで2011年度の23億ポンド、2012年度の24億ポンドからそれぞれ約17%、12.5%増となった。
また、同調査は従業員250名以上の英国企業全てを対象とするものだが、DEFRAは従業員10人以下の企業の数字も含めると実際の英国全体の環境保護関連支出の合計は約35億ポンドに到達すると見込んでいる。
支出の内訳としてはOPEX(運営支出)が支出全体の77%を占めており、残りがCAPEX(設備投資支出)となっている。全体に占める割合は少ないもの、設備投資への支出額は2012年度の4,800万ポンドから9300万ポンドへと約2倍に増加した。調査を実施したAECOMによると、これは2013年に英国で導入された排出規制Institutional Emission Directiveに伴う各社のインフラ設備のグレードアップが影響している可能性があるとい。
CAPEXはエネルギー関連企業が最も多く、全体の約20%を占めているものの、支出額自体は昨年から29%減少しているという。また、エネルギーに次いで食料品、飲料関連企業が16%と続く形になっている。最大の支出項目は「大気保全」で全体の50%以上に相当する合計3億3,900万ポンドだった。また、次に多い支出は「固形廃棄物」で全体の16%、1億100万ポンドだった。
一方のOPEXについては、研究開発費用を除くと最大の支出項目は給水・水処理となっており、7億5,100万ポンドだった。この数値は2012年度の6億1,500万ポンドより大幅に増加しており、報告書はWater Framework Directiveのような法規制が影響しているとしている。
また、2013年に環境マネジメントシステムを導入している企業の割合は67%で、そのうち4分の3がISO14001を導入していると回答した。
英国では様々な法規制が企業の環境投資を後押ししており、この3年間で環境保護関連支出が順調に増加している。レポードの詳細は下記からダウンロード可能。
【レポートダウンロード】Environment Protection Expenditure in Industry 2013 Survey - full report
【参照リリース】Environmental Protection Expenditure by Industry, 2013
【機関サイト】Department for Environment, Food & Rural Affairs
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