再生可能エネルギーの推進においてIT業界を牽引している米アップルが、また一つ大きな挑戦に乗り出した。アップルは10月22日、中国における製造サプライヤーのカーボンフットプリント削減に向けた新たなクリーンエネルギープログラムを公表した。サプライヤーと協働し、現在から2020年までに中国において2000万トン以上の温室効果ガス排出削減を目指す。これは乗用車400万台分の年間排出量に相当する量だ。
アップルは同日、四川省で建設を進めていた40メガワットの太陽光発電所が完成したと発表した。同メガソーラーはアップルが中国で展開しているオフィスや小売店に使用する電力以上の発電能力を持ち、アップルは中国における事業のカーボン・ニュートラルを実現した。
現在アップルは中国におけるクリーンエネルギー投資を加速させている。同社は中国全土で合計200メガワット以上のメガソーラーを設置する計画を進めており、自社だけではなく同社のサプライヤーが排出する温室効果ガスも含めたオフセットを目指している。
サプライチェーン全体における温室効果ガス排出削減に向けて、アップルは中国の製造サプライヤーとエネルギー効率化およびクリーンエネルギーを推進する新たな取り組みを開始する。サプライヤーらと協働し、数年以内に中国国内で2ギガワット以上のクリーンエネルギー発電所を建設する予定だ。
さらに同社はこれらのクリーンエネルギー調達や再生可能エネルギープロジェクトに関するベストプラクティスをサプライヤーらと共有し、各地のサプライヤーの一部に対してはエネルギー効率の監査や規制対応ガイダンス、パートナーシップ構築などハンズオンの支援も実施する。
これらの取り組みの一環として、アップルの最大サプライヤーでもあるフォックスコンは2018年までに河南省において400メガワットのメガソーラーを建設する予定だ。フォックスコンはiPhoneの最終製品工場である鄭州工場で使用するエネルギーと同等のクリーンエネルギーを生成することにコミットしている。
アップルは今やテクノロジーだけではなく再生可能エネルギー分野においても世界をリードする存在だ。現在同社は米国および中国における事業の100%を再生可能エネルギーで賄っており、グローバル全体でもその割合は87%に及んでいる。グローバル全体の事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うという同社の目標が達成される日もそう遠くはなさそうだ。
【参照リリース】Apple Launches New Clean Energy Programs in China To Promote Low-Carbon Manufacturing and Green Growth
【企業サイト】Apple
【企業サイト】Foxconn
(※TonyV3112 / Shutterstock.com)
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