フィンランド民間年金保険最大手Varma Mutual Pension Insurance Company(Varma)は2月12日、2017年の投資ポートフォリオのカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)報告書「Carbon Footprint of Varma’s Investements 2017」を発行した。Varmaは2015年、2020年末までに上場株投資のカーボンフットプリントを2015年比25%、社債投資で15%、不動産投資で15%削減する目標を掲げたが、2017年時点で全て前倒し達成した。Varmaの運用資産総額は2017年末時点で454億ユーロ(約6兆円)。
Varmaは2017年に株主方針を見直し、企業の社会的責任に関する条項を加え、環境責任を追求する姿勢を明確にした。2018年初めには、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の支持を表明。投資先企業に対し、TCFDガイドラインに沿い、気候変動が現在と将来企業にもたらすインパクトに関する情報開示を求める動きを開始した。また、化石燃料関連企業に対する投資見直しも実施。同時に、CDPのウォーターとフォレストへの支持にも加わった。
上場株投資でのカーボンフットプリント削減は、目標25%に対し、実績は27%。その間、上場株アセットクラスでの運用資産額は108億ユーロから132億ユーロに22%増加した。発電の30%以上を石炭火力に依存している電力会社からの直接株式投資を引揚げた。石炭採掘関連企業への投資も停止し、石油関連企業への投資も現状では非常に少なくなっている。一方、持続可能な開発関連のテーマ株式投資を実施し、保有額は2017年末で4億ユーロ。
社債投資でのカーボンフットプリント削減は、目標15%に対し、実績は22%。その間、上場株アセットクラスでの運用資産額は30億ユーロから38億ユーロに27%増加した。グリーンボンドへの投資を開始し、2017年末の保有額は3億ユーロ。
不動産投資でのカーボンフットプリント削減は、目標15%に対し、実績は18%。その間、上場株アセットクラスでの運用資産額は22億ユーロから21億ユーロに減少した。不動産ポートフォリオの見直しとともに、投資先不動産での省エネや再生可能エネルギー発電への切り替えも実施した。
一方、2017年の財務リターンは、7.8%で、33億ユーロの収益と好調。
【参照ページ】Pension assets increasingly climate friendly - carbon footprint of Varma's investments in dramatic decline
【レポート】Carbon Footprint of Varma’s Investements 2017
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