関東財務局、東海財務局、近畿財務局は2月6日、東海地方と近畿地方、長野県に豚コレラ被害が拡大している状況を受け、養豚農家をはじめ関係する個人・中小企業者への影響が懸念されることから、金融上の対応を講ずるよう各金融機関へ要請した。丁寧かつ親身になって経営相談に応じることや、借入の申込みや貸付条件の変更等の申込みが会った場合は適切な融資対応に努めるよう求めた。
【参考】【日本】岐阜県で大規模な豚コレラ感染発生。3ヶ月間で約1万頭を殺処分。沈静化目処立たず(2018年12月28日)
愛知県は2月5日、豊田市にある民間の養豚場から豚5頭が豚コレラに感染したことを確認し、岐阜県以外での施設での第1号となった。愛知県では、12月22日に犬山市で野イノシシ1頭が感染していることがわかっており、県内感染が危ぶまれていた。続いて2月6日、愛知県田原市にある関連養豚場の子豚でも感染が確認。田原市の養豚場では2月8日、全1611頭の殺処分が完了。豊田市の養豚場では2月9日、全5,620頭の殺処分が完了した。
しかし、この後、感染発覚が急速に広がる。2月5日に発覚した豊田市の養豚場は、1月以降、岐阜県、三重県、長野県、滋賀県、大阪府に子豚計約1,100頭を出荷していたため、愛知県は5府県へ連絡。1月18日に同養豚場からの子豚80頭が届いていた大阪府東大阪市の養豚場では、2月6日に6頭の感染を確認。即、殺処分作業に取り掛かったが、養豚場が住宅街にあり、殺処分した家畜を破砕・加熱処理するための装置で国が所有している「レンダリング装置」が使えなかったことから、全737頭の殺処分完了が予定していた2月9日に終わらなかった。
同じく豊田市の養豚場から子豚60頭が届いていた滋賀県近江八幡市の養豚場でも2月6日、県内初感染が発覚。2月7日に全699頭の殺処分を完了。さらに、豊田市の養豚場から子豚480頭が届いていた岐阜県恵那市の養豚場でも2月6日、感染が発覚。2月8日に全3,993頭の殺処分を完了した。加えて、豊田市の養豚場から子豚80頭が届いていた長野県宮田村の養豚場でも2月6日、県内初感染が発覚。2月7日に全2,482頭の殺処分を完了した。
一方、1月14日に子豚を受け取っていた三重県の養豚場では感染が確認されなかった。静岡県でも2月7日、豊田市の養豚場から子豚が届いていた菊川市の屠畜場を使用した養豚場の調査を開始。今のところ、静岡県でも感染は確認されていない。
2月5日から始まった大幅感染拡大では、すでに約15,000頭が殺処分された。
吉川貴盛農林水産相は2月8日、豚コレラ対策でワクチンを使うことについては「最終手段だ。いったん使うと清浄化に時間を要する」と述べ、ワクチン使用よりも、まず養豚場での衛生管理徹底を優先すべきとの慎重姿勢を示した。国際獣疫事務局(OIE)はこれまで、日本を豚コレラ感染がない「清浄国」に認定していたが、2018年9月の岐阜県での感染を機に認定を取り消した。日本政府は、ワクチン接種すると「清浄国」への復帰が遅れることや、海外から輸入に対する懸念を抱かれ、輸出再開までに相当な時間がかかることをおそれている模様。
【参照ページ】豚コレラの患畜の確認を踏まえた金融上の対応について
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