航空世界大手KLMオランダ航空は5月27日、オランダ持続可能なジェット燃料開発SkyNRGから年間75,000tを10年間調達する契約を結んだと発表した。持続可能なジェット燃料調達に大規模にコミットするのは同社が世界初。SkyNRGは、料理用廃油や工業用廃水からジェット燃料を開発する技術を開発。現在、オランダ沿岸部で大規模生産プラントを開発しており、同建設プロジェクトもKLMオランド航空と、液化天然(LP)ガス大手SHV Energyも投資する。
SkyNRGが開発した持続可能なジェット燃料(SAF)は、通常のジェット燃料と同様に扱うことができるため、新たな設備投資や燃料加工が必要とならない。また、化石燃料由来の通常のジェット燃料と比べると、二酸化炭素排出量を85%削減できるとともに、大気汚染の原因となるPM2.5を90%、硫黄酸化物(SOx)を100%削減できる。さらに、通常の燃料よりも燃料効率が1.5%から3%良い。加えて、植物由来のバイオ燃料と異なり、食糧を巡る争いや森林破壊を伴うこともない。
建設中のプラントは、年間で持続可能なジェット燃料(SAF)を10万t、副産物としてバイオLNG(BioLNG)を1.5万t生産することができる。KLMは2011年から、SAFを燃料とした商用フライトを開始し、すでに15万フライトを運航してきた経緯がある。今回、年間で7.5万tを購入することで合意した。副産物のBioLNGはSHV Energyが購入する。
今後、経済発展に伴い、フライト需要は世界的に増加し、二酸化炭素排出量も増えると見られている。このままのペースでは、2050年までに世界の二酸化炭素排出量の22%は航空業界から排出されるとも言われている。そのため、国際航空運送協会(IATA)は、2020年以降の二酸化炭素排出量の増加をゼロにし、2050年までに2005年比で半減する目標を掲げている。
【参照ページ】KLM, SkyNRG and SHV Energy announce project first European plant for sustainable aviation fuel
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