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【日本】P&Gジャパン、海洋プラ再生素材25%含有の容器を用いた商品発表。世界最大規模55万本生産

 消費財大手P&Gジャパンは11月6日、海洋プラスチックごみを原料とした再生プラスチックを25%含む容器を活用した製品「JOY Ocean Plastic」を発表した。11月上旬より数量限定で販売するため55万個生産した。再生プラ活用容器の大規模活用は同社が消費財業界で日本初。海洋プラスチックを原料とした再生プラスチック生産でも世界最大規模の模様。

 P&Gは、「製品ブランド」「サプライチェーン」「社会」「社員」の4つを軸とした2030年までのサステナビリティ戦略「Ambition 2030」をグローバルで掲げている。同戦略に基づく商品容器・包装でのサーキュラーエコノミー推進はすでに北米やEUの法人で実施。今回の新製品はその一環として日本に投入される。

【参考】【アメリカ】P&G、2030年サステナビリティ戦略発表。再エネ100%やパッケージ改善等

 グローバルで見た海洋プラスチックごみ発生源は、アジアが中心。加えて、日本のプラスチック消費量は増加傾向にあり、2009年から2017年にかけて20%増加したという。P&Gジャパンのスタニスラブ・ベセラ社長は、同社が業界のリーダーとして海洋プラスチックごみの削減を牽引してく必要があると話した。

 海洋プラスチックを利用するには課題も多い。例えば、海洋プラスチックは、漂流過程で紫外線や海水、泥等に晒され劣化するため、リサイクルに手間とコストがかかる。また、不純物を含む海洋プラスチックは、プラスチック繊維が劣化し、透明度が落ちやすい。今回発表の製品は、耐久性や安全性は勿論、最終消費者が極力違和感なく利用できる透明度のバランスを考慮した最大値として、海洋プラスチック由来の再生プラスチック配合量を25%に設定した。従来製品の容器と比べ透明度はやや劣るが、海洋プラスチックごみ問題の重大さを勘案し、導入に踏み切った。

 また、同製品の原料となる海洋プラスチックは、日本国内の海で回収したもののみを使用。回収からリサイクルまで全ての工程を日本国内で完結させることに拘った。回収については地域コミュニティのボランティアと協働。分別や洗浄、加工等についてはリサイクル企業テラサイクルジャパンと協働することで、国内でのサーキュラーエコノミーの実例を打ち立てた。

 但し、P&Gはグローバル全体で再生プラスチック使用を拡大しようとしているものの、日本では状態の良い海洋プラスチックの回収が進んでおらず、今回も限定販売となった。一方、海外では、メーカー自身がプラスチックを大規模に回収するための収集にまで乗り出すケースが出てきている。

【参照ページ】『JOY Ocean Plastic』11月上旬新発売

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菊池 尚人

株式会社ニューラル事業 開発室長

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