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【日本】NEDO、バイオジェット燃料を定期便での使用に成功。含有量向上が今後のカギ

 経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月18日、「バイオジェット燃料生産技術開発事業」の進捗状況を発表。木くずや微細藻類を原料とする持続可能なジェット燃料(SAF)を日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の定期便に供給したと発表した。含有量は木くず由来で3%程度、微細藻類由来で1%未満。

 NEDOは、国際民間航空機関(ICAO)が2016年に、国際線の二酸化炭素排出量取引制度「CORSIA」導入を決定したことを受け、2017年からバイオジェット燃料生産技術開発事業を開始。2017年度から2024年までの8年間のプロジェクトで、2021年度までに約150億円を投入してきている。参画している企業は、三菱重工業、三菱パワー、JERA、東洋エンジニアリング、宇宙航空研究開発機構(JAXA)等。

【参考】【国際】ICAO総会、国際線への温室効果ガス排出削減制度で画期的な合意。排出権購入を義務化(2016年10月24日)

 今回のSAFでは、木質セルロースをガス化した後に液体炭化水素燃料化するガス化FT合成技術による製法では、愛知県名古屋市のJERAの施設内に建設したパイロットプラントで一貫製造する実証試験を実施。JERAが原料調達とパイロットプラントの運転、三菱パワーが原料のガス化、東洋エンジニアリングが生成ガスの液体炭化水素燃料化・蒸留と混合以後のサプライチェーン構築を担当。JAXAが製造されたSAFの燃焼における性能特性試験を担当した。

 微細藻類由来の油を精製する水素化精製技術による製法では、IHIが鹿児島県鹿児島市の既存施設と、タイ王国サラブリ県に新設したパイロット屋外培養施設を使い、大規模培養からSAF製造までの一貫製造技術の確立と以後のサプライチェーン構築を担当した。

 木くず由来の純バイオジェット燃料は、既存の化石燃料(JET A-1)と混合され、2021年3月に国際規格である「ASTM D7566 Annex1」の適合試験に合格。微細藻類ボツリオコッカス・ブラウニー由来の純バイオジェット燃料も、同様に既存の化石燃料(JET A-1)と混合され、2021年4月に国際規格である「ASTM D7566 Annex7」の適合試験に合格した。

 開発されたSAFを活用したフライトはすべて6月17日に実施。東京国際空港(羽田空港)から新千歳空港行きの日本航空515便では、使用燃料は約8,700lで、木質バイオマス原料SAF2,195l(25%)、そのうち純バイオジェット燃料283l(3%)と、微細藻類原料SAF938l(11%)、そのうち純バイオジェット燃料1l(0.01%)を混合して使用した。

 また、東京国際空港から大阪国際空港(伊丹空港)行きの全日本空輸031便では、活用された。使用燃料は約5,000lで、微細藻類原料SAF938l(20%)、そのうち純バイオジェット燃料1l(0.8%)を混合して使用した。

【参照ページ】木くずや微細藻類から製造した持続可能な代替航空燃料を定期便に供給

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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