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【国際】伊藤忠、タイで屋上太陽光発電、豪でCCUS、米でバイオ由来水素に参画。マラウイのゴマ支援も

 伊藤忠商事は8月23日、シンガポールBerkeley Energy C&I Solutions(BECIS)と共同で、タイで分散型電源事業を展開する合弁会社を設立したと発表した。BECISがタイで実施してきた工場や商業施設での屋上太陽光発電を、伊藤忠商事が支援する。

 BECISは、すでに累計で70MWの導入実績を持つ。事業では、初期投資費用ゼロで屋上に太陽光発電パネルを敷設し、需要家に再生可能エネルギー電力を供給。タイでは、ASEANの中で最も早く企業同士の売電契約が解禁。遊休スペースを活用する屋上太陽光発電の需要が拡大している。伊藤忠商事は、2018年からBECISとの協業を開始しており、今回、合弁会社を通じて事業に直接参画する。

 また同社は同日、有機廃棄物から水素やバイオ燃料を生産する米ベンチャーRaven SRに対する出資も発表。他にも、シェブロン、Hyzon Motors、Ascent Hydrogen Fundsも出資している。Raven SRは、有機廃棄物をガス化して水素と一酸化炭素の合成ガスを製造する独自技術を開発中。まず、米カリフォルニア州で燃料電池自動車(FCV)向けの水素生産を目指しており、その後、持続可能なジェット燃料(SAF)やバイオディーゼルの生産に事業拡大する予定。

 炭素回収・利用・貯留(CCUS)の分野では、8月25日に豪ミネラル・カーボネーション・インターナショナル(MCi)への出資を発表。MCiは、製鉄工程で生じる副産物(スラグ)や火力発電所で生じる石炭灰、カルシウム、マグネシウム等の物質に二酸化炭素を反応させ、炭酸カルシウムを生産する技術を開発済み。6月には豪政府から1,460万豪ドル(約12億円)の研究開発助成も受け、豪国内で実証プラントの建設準備にも入っている。伊藤忠商事は3月にMCiと覚書を締結していた。今回の出資により、日本向けの展開・プロモーションは伊藤忠商事が独占的に担う。

 農業分野でも8月20日、竹本油脂と協働で、マラウイでのゴマ生産のプレミアム調達体制を構築したと発表した。同社は1951年からゴマ取引を開始し、現在世界25ヶ国から年間8万tのゴマを輸入。日本は99%以上のゴマを輸入に頼っており、安定調達が課題となっている。そこで、マラウイでの現地農家支援に入る。

 今回の施策では、伊藤忠商事と竹本油脂はゴマの買付時にプレミアムを払い、現地サプライヤーを通じて、マラウイの地域社会の支援を行う。第一歩として、外務省の政府開発援助(ODA)の一形態である「草の根・人間の安全保障無償資金協力」がチクワワ地方にて建設する一般外来を備えるヘルスセンターに緊急車両を提供する。今後も支援策を拡大する。
 
【参照ページ】Berkeley Energy C&I Solutionsとのタイにおける分散型電源事業を展開する合弁会社の設立について
【参照ページ】都市ごみからリニューアブル水素・燃料製造企業Raven SR Inc.への出資について
【参照ページ】CO2固定化技術を有する豪州MCi社への出資について
【参照ページ】マラウイにおけるゴマ調達を通じたSDGs活動について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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