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【オランダ】Robeco、ESG投資運用での生物多様性考慮で白書発表。年内に個社企業分析実施へ

 オランダ投資運用大手Robecoは1月31日、ESG投資運用に生物多様性の観点を組み入れる手法や体制の開発で進捗状況を含めた白書を発表した。2022年中にも、リスクの高いセクターで個別企業の詳細分析を行う計画を明らかにした。

 Robecoは、欧州の機関投資家の中でも早くから生物多様性に着手している1社。2020年9月には、事業運営と投資運用で生物多様性へのインパクトをプラスへの転換にコミットする宣言「生物多様性のためのファイナンス協定(Finance for Biodiversity Pledge;F4B)」に初期加盟するとともに、2021年11月には、農作物コモディティ商品生産に起因する森林破壊を撲滅するための機関投資家コミットメント共同宣言にも署名した。自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の設立準備を担った非公式ワーキンググループのメンバーにもなっていた。

 今回の白書では、土地利用変化、汚染、水資源までを含めた形で生物多様性での物理的リスクと移行リスクが、企業の財務リスクとなるロジックを整理。2022年1月からは、世界自然保護基金(WWF)ともパートナーシップを締結し、Robecoの生物多様性ロードマップの策定、生物多様性へのインパクトや依存状態を測る測定指標やマネジメント手法の開発、ステークホルダーとのエンゲージメント手法の整備の3つの内容を協働で進めている。

 同社は、早くも2019年から生物多様性観点での投資先企業エンゲージメントに着手しており、現在、カカオ、天然ゴム、熱帯木材・パルプ、大豆、牛肉の5品目が高リスク領域と特定している。すでに天然ゴムの分野でエンゲージメントを受けた日本企業もある。

 同社は、経営陣、上級管理職、サステナビリティ部門で構成する社内にサステナビリティ・インパクト戦略委員会(SISC)を創設。ESG投資方針全般の承認機関となっている。2020には下部組織として生物多様性タスクフォース(BTF)が新設され、生物多様性に関する方針事項は、BTFからSISCに報告される立て付けとなっている。

【参考】【国際】金融大手26社、生物多様性のインパクト測定で協定発足。測定手法策定の動きも加速(2020年9月26日)
【参考】【国際】自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)正式発足。ガイドライン策定へ。G7歓迎表明(2021年6月6日)
【参考】【国際】機関投資家33社、投融資先への2025年森林破壊関与ゼロにコミット。運用資産990兆円(2021年11月4日)

【参照ページ】Robeco’s approach to biodiversity

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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