英炭素回収スタートアップのカーボン・クリーンは5月11日、1.5億米ドル(約190億円)のシリーズCの資金調達に成功したと発表した。日本を含め、世界各国の主要企業が多数出資した。
同社の最新技術「CycloneCC」は、2021年10月に発売。鉄鋼、セメント、廃棄物からのエネルギー回収、製油所、石油・ガスの上流・中流等の二酸化炭素排出量の多いセクターを対象に、従来の装置の10分の1の接地面積で、わずか8週間で導入可能なソリューションとなっている。設備投資と運用コストも最大50%削減。炭素回収のコストを平均で1t当たり30米ドルにまで引き下げる可能性があるという。
今回、新規出資に応じたのは、シェブロン、サウジアラビア・エナジー・ベンチャーズ、サムスン・ベンチャーズ、TCエナジー、アクサ・インベストメント・マネージャーズ子会社のAXA IM Alts。また、既存投資家の丸紅、セメックス・ベンチャーズ、WAVE Equity Partnersも出資。シリーズCのリード投資家は、シェブロン。2021年8月にシリーズBで、3,000万米ドルを調達。現在までに1億9.500万ドルを調達している。
同社は、2030年代半ばまでに、ギガトン級の産業用脱炭素化を実現することを目標としてい掲げている。今後、戦略パートナーや政府と協働し、完全モジュール式の装置を毎年数百機製造、出荷していく予定。すでに炭素回収量で150万tの実績があり、ヴェオリア、セメックス、シェブロン等がパートナーとして活躍。今回の資金調達で、カリフォルニア州サンホアキン・バレーにあるシェブロンのコジェネレーション(熱電併給)プラントの1つで、CycloneCCを技術実証するパイロットプロジェクトも予定している。また、英国の大規模CCUS(炭素回収・利用・貯留)プロジェクト「Acorn Project」ともパートナーシップを締結している。
【参照ページ】Carbon Clean raises $150m in record carbon capture funding round
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