スウェーデン自動車大手ボルボ・カーズは5月24日、グリーンボンドを5億ユーロ(約690億円)発行したと発表した。年限6年、固定金利4.25%の無担保社債。応募は発行額の3倍以上集まり、世界的に厳しい市場環境にもかかわらず、高い需要が確認された。今回の発行は、同社のユーロ・ミディアム・ターム・ノート(MTN)プログラムの一環。
同社は2021年3月、2030年までに販売車種を全て電気自動車(EV)のみに転換すると発表済み。ハイブリッド車(HV)を含めて、内燃機関を装備している車種は全て2030年までに廃止にコミットしている。加えて、2040年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル目標も掲げている。
【参考】【スウェーデン】ボルボ・カーズ、2030年までにガソリン・ディーゼル車全廃。ハイブリッド車も廃止(2021年3月9日)
調達資金の3分の2は、同社の次世代型電気自動車(EV)用パワートレインおよび関連する新たなプラットフォーム技術の研究開発に充当。残りは、EVの生産能力増強のための投資に活用する。
さらに同社は5月31日、2050年までに製鉄での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にコミットする国際環境NGO運営のThe Climate Group(TCG)のイニシアチブ「SteelZero」への加盟も発表。自動車メーカーからの加盟は初。
同イニシアチブでは、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)の鉄鋼の調達、加工、使用を目指すことを公言した上で、2030年までに使用量の50%で同目標を実現することを要求している。
【参考】【国際】製鉄でのカーボンニュートラル目指す国際イニシアチブ「SteelZero」発足。8社加盟(2020年12月5日)
同社はこれまでも、鉄鋼でのカーボンニュートラル化を進めてきている。2021年6月には、スウェーデン製鉄大手スウェーデンスティール(SSAB)と協働で、二酸化炭素ネット排出量ゼロの自動車向け鋼板を共同開発すると発表。SSABのカーボンニュートラル鉄鋼を調達した世界初の自動車メーカーとなった。
SSABは、スウェーデン鉄鉱石採掘LKAB、スウェーデンのエネルギー大手バッテンフォールと協働し、化石燃料を一切用いない製鉄の実証プロジェクト「HYBRIT」を進めており、世界初の化石燃料を使用しない製鉄技術となることが期待されている。
【参考】【国際】ボルボ・カーズ、高級EVの新車種を米国で生産。SSABからもCO2フリー鉄を世界初調達(2021年6月19日)
【参考】【スウェーデン】SSAB、LKAB、バッテンフォール、CO2フリー製鉄プラントの実証運転開始(2020年9月3日)
【参照ページ】Volvo Cars raises EUR 500m for electrification through new green bond
【参照ページ】Volvo Cars is first car maker to join SteelZero initiative in support of fossil-free steel ambitions
【画像】Volvo Cars
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