持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は7月28日、ネイチャーポジティブと気候変動リスクに関する目標達成に向けた空間(土地・海洋利用)インテリジェンスの活用に関するガイダンスを発表した。
同報告書は、Systemiqと国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)と共同で作成されたもの。ネイチャーポジティブを目指すためのアクションは、二酸化炭素排出量に関するアクションとは異なり、場所に依存するものであるため土地や海に関する空間インテリジェンスが重要だとした。
空間インテリジェンスとは、空間または特定の場所におけるデータ、ツール、分析、可視化を活用し、土地や海洋の利用全体について適切な意思決定をするために必要な情報を提供するもの。TNFDのベータ版フレームワークにおいても、指標と目標を「グローバル」「国」「ローカル」のレベルで整合性を図る重要性と意思決定のために必要な空間インテリジェンスが必要とされている。
【参考】【国際】TNFD、フレームワークのベータ版第2版発行。指標・目標で検討進む(2022年7月1日)
【参考】【国際】TNFDと資本連合、LEAPアプローチの解説レポート発行。インパクト・依存度の測定等(2022年7月31日)
同報告書では、まず、自然破壊からの回復と生態系保護のための包括的アクションを企業に求めていく国際的な企業連合体Business for Natureが定義した3つのハイレベルなアクションのガイダンスに対して、空間インテリジェンスをどのように役立てるかを概説している。また、ユニリーバやAVIVA等の事例に触れ、企業戦略の意思決定における具体的な活用例を示した。
(出所)Business For Nature
今後の課題としては、企業内で空間インテリジェンスの活用をこれを阻害する要因として、外部のサポートに依存し、企業内でナレッジやノウハウを貯蓄できていないことを指摘。企業内部のスキルが低いため活用と投資が進まず、必要なデータが不足し、整合性が取れないままの状態にある。そのため、計画段階で過剰なリソースが必要になり、活用が進まないと見解を示した。
そこで対策として、企業、政府、金融機関が行うべき重要なアクションを整理したフレームワークを提供したという。各ステークホルダーが取るべきアクションを定義した。
【参照ページ】Spatial intelligence and business: data application for a nature-positive and net-zero future
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