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【EU】欧州中央銀行、銀行に対し2024年末までに包括的な気候リスク対策要求。強制措置も

 欧州中央銀行(ECB)のフランク・エルダーソン理事は11月2日、欧州銀行大手の気候変動リスクに関するテーマ別レビューの概要を公表。対策の期限設定と強制措置の発動の意思も披露した。

 今回の発表では、ECBは、ユーロ圏21カ国の所轄官庁とともに、総資産25兆ユーロにもなる銀行186社の気候変動リスクを評価。十分な措置の実行レベルは、半分にも満たないものと懸念を示した。

 具体的には、主要セクター、主要地域、主要なリスク要因の観点から、気候関連および環境リスクを特定する上で十分でない銀行が全体の96%と大多数を占めた。また、ほとんどの銀行が取引先やアセットレベルの詳細なデータを積極的に収集していないため、リスクを評価していても、その規模を完全に把握することはできなかったとした。取締役会のレベルでもリスクが十分に認識されていないとした。

 また、火力発電等の特定の事業を段階的に縮小し、顧客とのエンゲージメントを行っている銀行は増えているが、今後数年間で気候変動や環境悪化の財務影響を包括的にマネジメントできているかについては疑問を投げかけた。特に投融資でのカーボンニュートラルに関し定義や中間目標を設定することが重要との見方を示した。

 セクターポリシーを設定している銀行でも、実際のアクションを評価すると、方針に抜け穴があることや、専門家の明確な警告を無視する状況もみられるとした。これらの行動は、バランスシートに深刻な影響を与えるリスクがあるとした。

 一方で、グッドプラクティスも垣間見られるとの期待感もみせた。科学的根拠に基づくトランジション計画ツールを使用している銀行も出てきており、投融資先からのデータ収集で工夫を凝らし、第三者データの取得でもデータ品質やメソドロジーの評価を慎重に行っている銀行もあるとした。物理的リスクと移行リスクの双方に対処できるための自己資本比率の自主評価を行っているところもあるという。

 今回、エルダーソン理事は、2024年末までに、銀行が気候関連リスクや環境リスクを完全に管理できるようになることを期待すると表明。期限を遵守できない場合は、強制措置の発動の可能性もあると伝えた。

【参照ページ】Banks need to be climate change proof

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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