富裕層向け旅行代理店世界大手英ブラウン+ハドソンは11月17日、同じ目的地に送客する旅行者数を年間50人に制限すると発表した。気候変動の影響を緩和するためのアクションとして打ち出した。
同社は今回、観光産業は、気候変動を悪化させている一つの業界との認識を披露。インド、米国、モルディブ、中国、欧州、韓国、キューバ、南アフリカ等で、気候変動による前例のない打撃を受けており、旅行地が危機に瀕しているとの見方を示した。また、新型コロナウイルス・パンデミックで、旅行業界は「変わらなければいけない」と多くの人が感じたように、変わる必要があると宣言した。「旅行者の需要は増え、インフラへの圧力は増し、有能な労働者は減少している」と語った。
そこで同社は、同一目的地への旅行送客数を年間50人に限定することで、旅行地の負担を軽減。代わりに、旅行プランナーに顧客の旅行の真の狙いを深堀りすることで、代替旅行先を提案させる力を磨く。これを「制約の中で存在する創造的な自由を与える」と表現した。また、「より良い旅人になるには、別の目的地に心を開くこと以上に良い方法があるだろうか」と投げかけた。
観光地のアクションでは、ブータンが1日当たりの観光客数を絞った上で高額の単価を設定。また米ハワイ州は、観光客の影響を軽減するために「グリーンフィー」を積極的に検討していることを同社は支持した。アウトドアアパレル大手パタゴニアが、ミッションステートメントを「私たちは地球を救うためにビジネスをする」に変更したことも紹介した。
同社は、これからは代替候補先を提案するためにも、顧客に早めに旅行の相談にきてもらえることを推奨。早期の顧客獲得で支持を集める戦略ともいえる。
【参照ページ】Luxury Travel Company Makes a Radical Commitment to Reduce Its Climate Impact
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