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【国際】IEA、2022年のエネルギー転換進捗状況発表。太陽光発電、EV、照明の進捗が順調

 国際エネルギー機関(IEA)は7月12日、2022年のエネルギー転換の進捗状況の分析結果と各国のプロジェクトをまとめたデータベースを発表した。

 進捗状況の発表では、IEAの「2050年ネットゼロ・エミッション・シナリオ(NZEシナリオ)」での2030年目標に対する2022年の進捗を、エネルギーシステム、電力、石油・ガス、低炭素燃料、輸送、工業、不動産、分野横断テクノロジーの8セクターで合計47項目を3段階で評価した。

 直近の傾向が続けば2030年にはNZEシナリオに達すると評価したのは、太陽光発電、電気自動車(EV)、照明の3項目のみ。その他、26項目は、さらなるアクションが必要という2番目の評価。全く達成に軌道に乗っていない項目が18で、これには、石炭火力発電、炭素回収・利用・貯留(CCUS)、メタン漏出削減、ガスフレア、バイオ燃料、航空、海運、トラック・バス、重工業、不動産外構、地域暖房、行動変容等が含まれる。


(出所)IEA

 全体傾向では、電気自動車(EV)の販売台数は過去最高の1,000万台以上となり、過去5年間で約10倍に増加。再生可能エネルギー設備容量は過去最大の340GWが追加され、世界の発電量に占める再生可能エネルギーの割合は30%になった。クリーンエネルギーへの投資額は過去最高の1.6兆米ドル(約225兆円)となり、2021年から15%増加した。

 また、今回公開したクリーンエネルギー技術に関するプロジェクトをまとめたデータベースでは、各国で実施されている約350のプロジェクトの概要を一覧化した。進捗状況も確認できる。

 日本については13プロジェクトが掲載。具体的には、浮体式洋上風力発電が6件の他、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のメタン熱分解、燃料電池船舶等。

 IEAは今回、発電や自動車のようにクリーンエネルギー技術が既に利用可能であり、コストが急速に低下している分野は進捗していると評価。しかし、全セクターでのアクションの必要性を訴えた。また、エネルギー転換の速度は地域やセクター毎に異なるため、世界全体で見ればシナリオの軌道に乗っていてもすべての国で実現はされていないと指摘。反対に、大幅に遅れていると評価された項目でも、特定の国では大幅に進んでいる可能性もあるとした。その上で、新興国や発展途上国を含む全ての地域で順調に進捗させるためは、より強力な国際協力と政策が必要とした。

【参照ページ】Rapid progress of key clean energy technologies shows the new energy economy is emerging faster than many think

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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