
製造業世界大手韓国サムスン電子は9月25日、同社の中小サプライヤーが高いESG基準を満たすため、国内5大金融持株会社と共同で1兆ウォン(約1,100億円)の投資ファンド「パートナーESGファンド」を設立すると発表した。サプライヤーのESG改善のため、自ら資金を動員していく。
今回のファンドの参画するのは、KB金融グループ、新韓金融グループ、ハナ金融グループ、ウリ金融グループ、韓国農協金融グループの5社。サムスン電子が8,000億ウォン、傘下のサムスン・ディスプレイが2,000億ウォンの合計1兆ウォンを5行と共同設定するファンド口座に出資し、追加で5行が合計1兆円を加える形で、中小サプライヤーに2兆ウォン(約2,200億円)を融資する。
融資の対象は、サムスン電子の国内一次サプライヤー中小企業。資金使途が、安全、環境、エネルギー使用量削減に関わるものであれば、10月から融資案件の対象となる。融資額は、1社当たり3年間で最大20億ウォン。延長申請も可能で、最長6年間。具体的な企業名は非公表だが、数百の1次サプライヤーが対象となる見通し。融資審査は、サムスン電子と融資銀行が協働で行う。さらに融資銀行は、中小企業向けのESG改善コンサルティングや教育も行う。
融資金利はゼロ。これにより、年間約650億ウォンの金利コストを節約できると予想されている。
サムスン電子は、今回の融資により、年間85万tの排出量削減を見込む。韓国中小企業家同友会が2023年実施した調査では、回答者の20.4%が最も支援が必要な分野としてESG関連の設備・施設を挙げていた。19.4%は大企業からの支援も必要と応えていた。
同社は2023年3月、「地域均衡発展のための60.1兆ウォン投資」構想を発表。その一環として、国内中小企業のESGファンドを支援する計画を発表し、今回の合意を通じ、本格的な実施に向けた準備を進めている。
【参照ページ】삼성, 1조원 규모 ‘협력회사 ESG 펀드’ 조성
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