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【国際】IRENA、再生可能エネルギー特化型重要鉱物格付発表。未来視点の経済安全保障

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は10月、気候変動緩和の観点からエネルギー移行に特化した重要鉱物の重要度格付結果を発表した。ノルウェー国際問題研究所(NUPI)と共同で作成した。

 目下、経済安全保障の観点から、数多く重要鉱物のリストが作成されているが、再生可能エネルギーへの移行に必ずしも焦点があたっているわけではない。そこで、IRENAは今回、再生可能エネルギーに活用される鉱物の重要度を、他の重要鉱物のリストの傾向、鉱物市場の多様化、地中の鉱物の埋蔵量、需要シナリオ、リサイクル可能性、代替可能性の6つの指標に基づき、評価した。

 対象となる再生可能エネルギー技術は、風力発電、太陽光発電、バイオエネルギー、地熱発電、水力発電、波力発電、潮力発電、交通セクターの電化、エネルギー貯蔵、電力系統、グリーン水素。対象外としたものは、石炭、天然ガス、原子力発電、グリーン水素以外の水素、炭素回収・貯蔵(CCS)、エネルギー効率に関する技術分野。

(出所)IRENA

 世界的な観点からエネルギー転換に「最も重要」とランク付けされた材料は、リチウム、コバルト、ガリウム、ネオジム、インジウム、白金族金属、ジスプロシウム、ニッケル、テルル、プラセオジム、グラファイト、マンガン、銅、ゲルマニウム。

 「中程度に重要」と評価された材料は、銀、ストロンチウム、プラチナ、リン、クロム、ロジウム、ランタン、ルテニウム、アルミニウム、ホウ素・ホウ酸塩、セレン、パラジウム、セリウム、バナジウム、チタン、ケイ素。

 「重要度が低い」と評価された材料は、モリブデン、マグネシウム、イットリウム、カドミウム、テルビウム、亜鉛、イリジウム、ジルコニウム、サマリウム、タングステン、ベリリウム、錫、鉄・鋼鉄、ユーロピウム、カリウム、ニオブ、タンタル、ガドリニウム、鉛、レニウム。 (出所)IRENA

 同報告書では、格付に加え、政策提言も盛り込んだ。まず、各国政府が重要鉱物リストを作成する際には、作成主体の見通しや立ち位置、作成時点の特定の状況に影響を十分に考慮するよう促した。

 次に、同格付は需給等の状況を更新し、数年に一度更新するべきと説明。地政学的な状況、規制、技術、需給等は常に変化しており、正確な見通しを行うことは困難であるとした上で、将来の技術開発に関する複雑なシナリオを含めることで、先見性を高めることが可能とした。

 最後に、政府が重要鉱物に関わる投資家のリスクを軽減するための支援を行う場合、重要度が変化する可能性があるため、特定の鉱物の過剰供給とならないよう管理が必要とした。

【参照ページ】Constructing a ranking of critical materials for the global energy transition

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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