
国土交通省と環境省は11月29日、5月に発表した水道施設におけるPFOS及びPFOAの検出状況等を把握するため水質調査の結果を発表した。検査の結果、現状では問題なしとの見方を示した。
今回の調査は、国内での水道PFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)汚染の報道が増えたことを受け、日本政府として実態調査を進めたもの。国土交通省もしくは都道府県の認可事業となっている水供給事業と専用水道を対象に調査した。
今回の発表では、PFOS及びPFOAの水質検査を実施した事業の数は毎年増加しており、2020度から2024年度でに検査を行ったことがある事業数は2,227事業にまで増えていた。
その中で、2020度に設定した暫定目標値「PFOS及びPFOAの合算で50ng/L」を超過した事業者は、2020年度には11事業あったが、2023年度は3事業、2024年度は0だったとした。2023年度までのいずれかで暫定目標値を超過した全14事業についても、最新の検査結果では全て暫定目標値を下回っていた。
今回の調査結果を踏まえ、両省は、暫定目標値以下の水質の水道水が確認されている給水人口の割合は98.2%と言及。残り1.8%は、検査未実施、未回答の水道事業(受水元の水道用水供給事業の検査結果が暫定目標値以下の事業は除く)、専用水道(自家用水道等)による給水人口等に該当するという。専用水道に関しては、現在集計中という。
今回両省は、同時に、水道事業者等によるPFOS及びPFOA対応事例集も公表し、12例を採り上げている。
今回の調査では、PFOS及びPFOAの水質検査を実施した事業者のみの結果であり、未実施水道事業での安全性が確認されたわけではない。また、PFASの中でもPFOS及びPFOAのみが分析対象となっていることにも留意が必要。例えば、米環境保護庁(EPA)は、水質浄化法に基づく調査で、すでにPFAS9種類を対象としている上、PFOSとPFOAに対しても日本基準よりも遥かに厳しい基準を用いている。
【参考】【アメリカ】EPA、水道水PFAS法定基準最終決定。PFOA、PFOS等で4ppt。日本基準より遥かに厳しく(2024年4月11日)
【参照ページ】水道におけるPFOS 及びPFOA に関する調査の結果について(水道事業及び水道用水供給事業分)
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