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【アメリカ】EPA、水道水PFAS法定基準最終決定。PFOA、PFOS等で4ppt。日本基準より遥かに厳しく

 米環境保護庁(EPA)は4月10日、PFAS(パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)汚染を防止するための初の国家飲料水基準を制定した。2023年3月に原案を発表し、約1年をかけて最終発表にこぎつけた。

【参考】【アメリカ】EPA、公共水道で全米初のPFAS規制案発表。PFOA、PFOS等6種類(2023年3月18日)

 同規則では、PFASのうち、PFOA、PFOS、PFNA、PFHxS、HFPO-DA(別名GenX)の5種類について単体の法定基準値を設定した。また、PFNA、PFHxS、PFBS、HFPO-DA(別名GenX)の4種類では、いずれか2種類以上の混合物に対する法定基準値も設定した。

 単体基準では、PFOAとPFOSでは、原案通り、上限となる法定基準値として4ppt(ppmの百万分の1)に、PFNA、PFHxS、HFPO-DA(別名GenX)では10pptに設定した。

 EPAは今回、設定した法定基準を満たさない公共飲料水システムが、全米66,000施設のうち6%から10%あるとみている。対策手法としては、粒状活性炭、逆浸透膜、イオン交換システム等の導入を挙げた。PFASへの暴露を減らすことで、数千人の早期死亡、成人の特定の癌や肝臓・心臓への影響を含む数万人の深刻な疾病、乳幼児や子供への免疫や発達への影響を防ぐことができると期待した。

 さらに今回の発表では、インフラ投資・雇用法を財源とし、公共給水システムでの州政府や自治体がPFAS試験・処理する際や、私有井戸の所有者がPFAS汚染に対処する際の支援として、新たに10億米ドル(約1,500億円)の予算も発表した。

 日本では、2022年12月に水質汚濁防止法施行令(政令)の改正を閣議決定し、PFOA、PFOS、アニリン、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の4種類を追加し、2023年2月1日に施行されている。環境省は暫定目標値としてPFOSとPFOAの合計値として50ng/L(ppt)を設定している。米EPAの基準値と比べるとかなり緩い。

 日本では東京都が水道水のPFAS調査結果を3月29日に発表している。調査対象はPFOAとPFOSの2種類。東京都は「国の定める暫定目標値を大幅に下回っており、水道水の安全性を確保しています」と総括したが、50ng/Lを超過していた測定地点が、文京区、台東区、世田谷区、渋谷区、練馬区、足立区、八王子市、立川市、武蔵野市、青梅市、府中市、小平市、国分寺市、国立市、狛江市、武蔵村山市、西東京市にあったことがわかった。米EPA基準を適用すると、ほぼすべての測定地点で基準を超過していることになる。

【参照ページ】Biden-Harris Administration Finalizes First-Ever National Drinking Water Standard to Protect 100M People from PFAS Pollution 【参照ページ】有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)に関する東京都の取組

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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