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【国際】オランダ銀行実務家、国債運用のネットゼロ把握でITR算定新手法提示。論文発表

 オランダ銀行の運用ポートフォリオマネージャーは5月1日、国債運用でのネットゼロ目標に関し、「Implied Temperature Rise(ITR)」指標の活用を提案する論文を発表した。同時に既存ITR指標には課題も多いとし、独自にITR指標の算定式も提示した。

 同論文では、国債発行残高は70兆米ドルを超え、世界の債券市場の約半分を占めているにもかかわらず、国債ポートフォリオのパリ協定への整合化のための方法論やガイダンスは発展途上の段階にあると指摘。一方、温室効果ガス排出量と国債スプレッドの間には正の相関関係があるとする先行研究を紹介し、低炭素化への移行に失敗した国債は、信用格付の引下げ、座礁資産、債務発行の増加、資本市場へのアクセスの低下、経済の停滞に直面する可能性があるとした。

 国債運用でのパリ協定整合性チェックでは、すでにITRが提唱されているが、各国政府がITRを開示していることは稀で、指標の把握は民間プロバイダーに依存していることも多い。また、プロバイダー間で指標数値に差が大きく、不確実性も高いことも課題として挙げた。

 そこで、同論文では、環境リスクに関する金融当局ネットワーク(NGFS)やロンドン証券取引所グループ(LSEG)のアプローチを参考にしつつ、新たなITR算定式を提示。特定の削減パスウェイを使うことはせず、2050年までの国内消費に基づく累積排出量のみを活用する算定方法を考案した。

 具体的には、Climate Action Trackerが提供している国内生産ベースの排出量から、輸出入を考慮し、消費ベースの排出量を算定。そこから人口比を勘案して、原単位排出量を求めて、ポートフォリオのカーボンフットプリントを算出。当該排出量に応じた気温上昇度合いをITRとして把握するというもの。

 同論文は、今回示したITR算定手法に関し、2050年以降の排出量を考慮できていないことや、他の公債や社債との統合については別角度からの検討が必要という課題も示している。

【参照ページ】Toward Paris-Aligned Sovereign Investment Portfolios: Utilizing Implied Temperature Rise as a Measure of Alignment

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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