
欧州委員会は6月17日、2027年末までにロシア産天然ガス・石油の輸入を段階的に廃止するEU規則案を発表した。今後、EU理事会及び欧州議会との協議に入る。
EU加盟国首脳級の欧州理事会は、ウクライナ戦争以降の2022年3月に発表したベルサイユ宣言で、ロシア産エネルギーを段階的に廃止することで合意。それを受け、欧州委員会は2022年5月、エネルギーのロシア依存度を2030年よりかなり前にゼロにする計画「REPowerEU」を採択している。その後、EUでは一時的にロシア産天然ガス・石油の輸入が減少したが、2024年に輸入が回復。事態を重くみた欧州委員会は2025年5月、REPowerEUロードマップを発表し、ロシア産エネルギーからの完全独立を目指す方向性を掲げていた。
【参考】【EU】欧州理事会、ベルサイユ宣言採択。水素、再エネ、サーキュラーエコノミーを加速(2022年3月13日)
【参考】【EU】欧州委、REPowerEU採択。ロシア産天然ガス依存度低下へ28兆円。原発も言及(2022年5月20日)
【参考】【EU】欧州委、REPowerEUロードマップ発表。ロシア産エネルギーからの完全独立標榜(2025年5月10日)
今回のEU規則案では、ロシアから直接的または間接的に輸出されるパイプラインガス及び液化天然ガス(LNG)の段階的な廃止を義務化する。まず、新規契約に基づくロシア産天然ガスの輸入は2026年1月1日から禁止。既存の短期契約に基づく輸入は2026年6月17日までに停止する。但し、内陸国へのパイプラインガス供給に関する長期契約は、2027年末まで例外的に有効。長期契約に基づく輸入も2027年末までに停止する。
ロシアまたはロシア企業によって支配される顧客向けの液化天然ガス(LNG)ターミナル・サービスに関する長期契約も禁止する。これにより、既存のターミナル能力を、ロシア以外の供給元に再配分していく。同様にロシア産原油の輸入も2027年末までに完全に禁止される。
EU加盟国は、上記の措置に基づき、ロシア産天然ガスと原油の輸入を段階的に廃止するための多様化計画を、具体的な措置とマイルストーンを明記して欧州委員会に提出することが義務付けられる。またロシア産天然ガスの供給契約を締結している企業や輸入事業者に対しても、欧州委員会に関連情報を提供することを義務化する。
欧州委員会は、今回の措置を「段階的な廃止」に向けた政策と評価しており、スムーズに、EU内のエネルギー価格への影響を最小限に抑えつつ、エネルギー安全保障を維持できると説明。また、EUのカーボンニュートラル化目標の達成にも資するとした。
【参照ページ】Commission proposes gradual phase-out of Russian gas and oil imports into the EU
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する