
持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は9月19日、農業・食料・森林バリューチェーンの下流企業向けに、自然関連指標の活用と地域別目標の設定に関する課題に関する提言レポートを発表した。
今回のレポートは、WBCSDが2025年に発足した企業ワーキンググループでの検討結果をまとめたもの。同ワーキンググループに参加していたのは、住友林業、Ingkaグループ(IKEA)、インター・イケア・グループ、ネスレ、P&G、フィリップ・モリス・インターナショナル、BASF、シェル、シンジェンタ、テトラパック・インターナショナル、ディアジオ、コルゲート・パーモリーブ、オーラム・フード・イングリーディエンツ、クローダ・インターナショナル、グラクソ・スミスクライン(GSK)、Sonae、Nutrien、Arcadis、Drax、マニュライフ・インベストメント・マネジメント、ラボバンク、ロイズ・バンキング・グループ、PwC。
同レポートは、昆明・モントリオール生物多様性枠組が掲げる「2030年までに自然損失を停止・逆転させ、2050年までに完全な回復を実現する」というネイチャーポジティブ目標を達成するには、セクターやバリューチェーンを越えた協調行動が不可欠と指摘。介入の場所と方法に細心の注意を払う必要があるとした。
一方、下流サプライチェーン企業に関しては、目標設定と情報開示に関する外部からのプレッシャーは高まる中、SBTNが運営している「ネイチャーSBT(自然SBT)」を含め各機関が発表している既存の自然目標設定ガイダンスは、有効に機能しないと課題を指摘。具体的には、既存のガイダンスは、自然との依存関係やインパクトを「狭く深く」分析し、目標を設定することを推奨しているが、サプライチェーンにおける影響を限定的にしか把握できていない下流サプライチェーン企業には、「狭く深く」分析するには、情報が不足し、代理的な指標に依存せざるをえないと伝えた。
そこで、今回のレポートは、下流サプライチェーン企業向けに、「広く浅く」分析し目標を設定する代替アプローチを提案。11月には、下流サプライチェーン企業向けの指標設定ツール「ネイチャー・アクション・ポータル」をリリースすることも明らかにした。
WBCSDは今後、基準策定機関や各国の規制当局に働きかけ、下流サプライチェーン企業向けの指標導入の有効性を説明し、分析対象とするバウンダリーの明確化、バリューチェーン全体での指標の一貫した調和的な使用、地域ベースの目標設定に向けた暫定的かつ補完的なアプローチを支援するガイダンスの策定の3つを実現しにいく考え。
【参照ページ】Driving business accountability for nature action along the value chain
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