
NTT、NTT東日本、NTT-ME、メタウォーターの4社は9月30日、IoT/AIを活用し、上下水道施設における保守点検業務の自動化に向けた実証実験を10月から宇都宮市上下水道局清原水再生センターで開始したと発表した。期間は2027年3月まで。本格実装に向けた検討を進める。
【参考】【日本】国交省、水資源の概況で年次報告書。設備の老朽化が大きな課題(2025年8月3日)
日本政府は2023年6月、上下水道事業に関し、従来のコンセッション方式に加え、コンセッションに段階的に移行するための公民連携方式(管理・更新一体マネジメント方式)を新設した「ウォーターPPP」を公表。2031年までに水道、下水道、工業用水道の3分野でウォーターPPPを計225件導入する目標を設定している。
一方、上下水道施設の運転・維持管理業務では、数百から数千にまで及ぶ機器や設備の保守・点検作業を、現場作業員(運転管理員)の巡回、目視等により行っており、専門人材の十分な確保と教育が大きな課題となっていた。
そこで今回の実証では、NTTグループが提供する多様なネットワークラインアップとノウハウと現地の通信環境の構築で培ったエンジニアリング力、メタウォーター独自の情報通信プラットフォーム「WBC(Water Business Cloud)」と「オペレーションサポートセンター(OSC)」を連携。保守点検業務の自動化の基盤となる情報通信ネットワークを構築する。IEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow)も活用する。
次に、構築した情報通信ネットワークを基盤とし、現場作業員が実施している機器や設備の確認、判断、記録までの保守点検業務の一連のオペレーションを、ネットワークカメラやIoTセンサーによるセンシング及び生成AIの活用により、完全自動化のソリューションの開発と検証を行う。AIが異常を検知した場合は、現場作業員に警報を通知するとともに、メタウォーターのオペレーションサポートセンター(OSC)へ通知され、ベテランスタッフからの必要な助言、指示によりプラントの安定運転を実現する。
実証場所となる宇都宮市上下水道局清原水再生センターは、メタウォーターが2029年3月31日まで宇都宮市から業務を受託している。メタウォーターは、日本ガイシ傘下の日本ガイシ水環境システムズと富士電機傘下の富士電機水環境システムズが2008年に合併して設立された。
【参照ページ】NTTグループとメタウォーターがIoT/AIを活用し、上下水道施設における保守点検業務の自動化に向けた実証実験を開始
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