
キリンホールディングス傘下の酒類製造メルシャンは3月17日、山梨県の同社ワイナリー「シャトー・メルシャン 天狗沢ヴィンヤード」が、環境省から「自然共生サイト」に認定されたと発表した。
同社は、2014年から農研機構と生態系調査等の共同研究を開始。キリングループとしては、2023年10月に認定された長野県の「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」、2025年2月に認定された山梨県の「シャトー・メルシャン 城の平ヴィンヤード」に続く3例目。自然共生サイトとして認定された後は、国際データベースであるOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)にも登録される予定。
【参考】【日本】キリンホールHD、メルシャンと農研機構との協働深化。ブドウ畑の生物多様性評価(2024年3月28日)
同ヴィンヤードは、2017年に山梨県甲州市の塩山上小田原地区に開園した自社管理畑。造成前段階の2016年から生物多様性の追跡調査を実施し、モニタリングを継続している。造成前はシカ食害の影響でアメリカオニアザミやチカラシバ等、シカが食べない植生のみが優占する非常に多様性の低い自然環境だった。造成後から草原性の植生へと順調に推移し、2025年時点で、希少種も含む111種の植物と30種の蝶類が確認されている。
また、同社は4月20日、日本ワイン産業の発展と市場の活性化を目指す新たな取り組みとして「日本ワイン応援事業」を開始したと発表した。同社が2022年から展開してきたワイナリー向けのコンサルティング事業を拡大し、生産現場の包括的な支援を行う。
国税庁のデータによると、日本国内のワイナリー数は直近10年で200以上急増し、2025年には519カ所となった。しかし、国内ワイナリーの91.6%が小規模生産者であり、収益面では赤字の割合は31.9%、低収益が11.7%となっている。また、ぶどうの収穫量も過去5年で減少傾向となっている。
(出所)メルシャン
国内ワイナリーの構造的課題は、収益性だけではなく、技術・人財の継承、ブドウ生産の脆弱性、販路開拓力の不足等、多岐にわたる。そこで、スタートアップワイナリー向けに栽培・醸造の課題解決を中心としたコンサルティング事業を拡大し、今後は歴史あるワイナリーや中規模ワイナリー、自治体も対象とし、苗木選定からワイン販売に至るまで全バリューチェーンで支援を実施する。
(出所)メルシャン
他にも、複数のワイナリーの購入数量を取りまとめ、苗木、資材等を提供する「共同調達ビジネス」サービスを2026年4月より開始。ワインツーリズムによる地域創生を目指す新規事業「あなただけのワインづくり体験」の本格運用も開始する。
(出所)メルシャン
今回の発表では、新たなコンサルティング事例として、北海道上川郡美瑛町にある「美瑛ファーム」に隣接するワイナリーの設立にあたり、2025年10月よりヴィンヤード造りに関する事例も紹介された。同社のコンサルティング事例として、苗木の選定や植栽といった初期段階から関与する初の事例となる。
同社は、ネイチャー・ポジティブな取り組みとともに、個別・小口で分断されがちな取引を同社がハブとして束ね、ワイナリーとサプライヤーを効率的につなぐハブ&スポーク型の取り組みを進めていくとした。
【参照ページ】「シャトー・メルシャン 天狗沢ヴィンヤード」が環境省の自然共生サイト※1として認定
【参照ページ】日本ワイン市場のさらなる活性化に向けて「コンサルティング事業」を進化させた「日本ワイン応援事業」を始動!
【画像】キリンホールディングス
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