キリンホールディングス傘下の酒類製造メルシャンは3月27日、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と協働し、同社ワイナリー「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」で、ブドウ畑の生物多様性評価の高度化と、炭素貯留効果を評価する共同研究を新たに開始すると発表した。
同社は、2014年から農研機構と椀子ヴィンヤードの生態系調査を行ってきた。椀子ヴィンヤードは2023年10月、環境省から、OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)として「自然共生サイト」に認定されている。2023年前期に122カ所認定された中では唯一、事業として農産物を生産する畑としての認定となった。
また同社は、遊休荒廃地を垣根仕立・草生栽培の日本ワインのためのブドウ畑にすることが、良質で広大な草原を創出し、絶滅危惧種を含む多様な生態系を育むことがすでに明らかになっていると説明した。
今回開始する共同研究では、これまでの実績を基に、椀子ヴィンヤードの生態系が再生・維持されることによる同所及び周辺の生態系に与える影響の分析・評価を実施。さらに、高品質なブドウの安定した栽培に草生栽培が寄与できる可能性の探索、ヴィンヤードの剪定残渣等を活用したバイオ炭での炭素貯留効果の評価等を進める。
【参照ページ】「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」にて農研機構との新たな共同研究を開始
【画像】キリンホールディングス
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