
国際的な低炭素推進機関投資家イニシアチブ「Investor Agenda」は12月5日、機関投資家230団体の気候変動対策計画を分析した結果を発表。気候移行計画の策定が機関投資家の中で一般的な慣行になりつつあると伝えた。
Investor Agendaは、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、国連責任投資原則(PRI)、CDP、及びGlobal Investor Coalition on Climate Change(GIC)構成4機関のIIGCC、AIGCC、IGCC、Ceresの計7団体で構成。パリ協定整合のアクションを投資家に普及させることをミッションとしている。また、投資家向けの行動指針として「投資家気候アクションプラン(ICAPs)期待ラダー」も策定している。
【参考】【国際】機関投資家5100兆円650社、各国政府に1.5℃遵守要求。日系機関投資家も23社。COP29(2024年11月26日)
【参考】【国際】Investor Agenda、投資家向け「気候アクションプラン期待ラダー」実践ガイダンス改訂(2024年10月30日)
気候移行計画(クライメート・トランジションプラン)とは、2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにすることを目標に、組織の事業活動を整合させるための目標、行動、説明責任の仕組みのこと。投資家気候変動行動計画(ICAPs)期待ラダーは、投資家の気候移行計画が包括的であり、投資、企業エンゲージメント、政策エンゲージメント、投資家情報開示という4つの連動した行動分野において、顧客、規制当局、その他のステークホルダーにとって意思決定に有用な情報が含まれていることを確認するための枠組みを提供し、ガバナンスを横断的な分野として定めている。
今回の調査は、欧州の機関投資家では、EUや英国での法規制が整備されるにつれ、ICAPsの自主的な受容が進む中、北米、アジア、オセアニアの動向を把握するために実施された。アジアを担当するAIGCCは加盟機関のうち58社、オセアニアを担当するIGCCは同63社、米国を担当するCeresと世界全体をカバーするPRIは、世界大手48社を調査した。
調査結果では、オーストラリアのIGCC加盟機関投資家を対象に行った最新の調査では、回答者の65%が気候移行計画を策定していると回答し、2023年の36%から大幅に増加。AIGCCも、アジアの機関投資家会員を対象に行った調査では、回答者の約50%が、気候移行計画を策定済みと回答していた。Ceresの北米調査では、対象とした48の機関投資家のうち、77%が何らかの計画を策定していることがわかった。さらに、CDPのデータによると、北米でCDPを通じて情報開示を行っている金融機関のうち、現在気候移行計画を策定しているのは27%のみだが、追加で46%が2年以内に策定する予定と回答している。
【参照ページ】Review of 230 Investors Finds that Comprehensive Climate Action Planning is Becoming Common Practice
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