
英環境シンクタンクのプラネット・トラッカーは5月29日、化学世界大手8社のネットゼロ移行分析結果を公表した。日本企業も1社が対象となったが、評価は低かった。
同調査では、BASF、バイエル、ダウ、インシテック・ピボット、エア・リキード、ライオンデルバセル、SABIC(サウジ基礎産業公社)、東レの8社が対象。1.5℃整合性の観点から、過去の温室効果ガス排出量実績・バリューチェーンへの関与、ガバナンスと報酬、リスク分析、戦略評価の4項目についてチェックされた。
(出所)Planet Tracker
排出量削減では、BASF、バイエル、インシテック・ピボットの3社のみが、過去の排出量削減ペースが1.5℃シナリオと整合していると判断された。一方、東レとダウは遅れているとの評価だった。スコープ3削減では、8社全てが重要と認識しているが、スコープ3削減目標を掲げているのは、BASF、バイエル、ライオンデルバセル等の一部のみ。但し、エア・リキードやインシテック・ピボット等は、すでにスコープ3のフットプリントを削減するためにバリューチェーン関与に乗り出していた。
ガバナンスと説明責任では、エア・リキード、バイエル、インシテック・ピボットは、取締役会レベルのESG委員会を設置し、役員報酬に気候変動指標を含めていた。特に、インシテック・ピボットとダウは、気候変動指標に連動した長期変動報酬を10%以上のウェイトで設定していた。
資本配分では、ダウは、2023年の資本支出の36%、2025年までに60%以上をサステナビリティ目標に沿ったものにすると計画しているが、既存事業の削減には踏み込んでいないことが懸念された。サステナビリティ関連資本配分の絶対額では、エア・リキードが最多。資本配分率が最小だったのは、バイエルだった。
政策提言では、バイエルとエア・リキードのみが、加盟業界団体と自社方針との非整合性を開示し、何らかの措置を講じていることを伝えていた。一方、ダウ、SABIC、東レは、透明性に乏しいまま、整合しない団体に所属していると判断された。
【参照ページ】Chemical Sector Climate Transition Dashboard
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