
ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は10月30日、2025年7月までの法定アマゾン地帯の熱帯雨林消失面積と法定カンポ・セラード地帯の森林消失面積の推計結果を発表した。一時期上昇していた消失面積が、大きく減少傾向に転じることがわかった。
INPEの発表によると、2025年7月までの1年間で法定アマゾン地帯の熱帯雨林面積は11.08%減少。消失面積は、1988年以降で、2012年と2014年に次ぎ3番目に少なかった。また、法定カンポ・セラード地帯の森林面積は11.49%で、2018年頃の水準にまで少なくなった。
(出所)INPE
この結果、2022年以降のアマゾンとセラードにおける森林伐採によるCO₂e排出量は推定7億3390万トン削減された。この量は2022年のスペインとフランスの年間排出量合計に相当する。ブラジルでは、アマゾンやカンポ・セラードの森林面積は過去減少傾向にあったが、2019年から2022年までのボルソナロ政権時代の農業振興政策により、消失面積が再び拡大。2023年の政権交代で誕生した第2次ルラ政権による森林保護政策により、再び減少に向かっている。
ブラジル政府は現在、2030年までに全国での森林破壊をゼロにする公約を掲げている。実現に向け、環境ガバナンスの再構築、アマゾンとカンポ・セラード等の生態系における森林破壊防止・管理行動計画の策定、森林破壊・火災防止常設省庁間委員会の再設置等が実行されている。同委員会は19省庁を統合し、大統領府首席補佐官室が主導し、環境・気候変動省が事務局を務めている。
具体的には、環境・再生可能天然資源庁とチコ・メンデス生物多様性保全研究所による監視と取締を強化。これにより、環境・再生可能天然資源庁によるアマゾンでの取締件数は、2022年から2025年までの間、その前の3年間と比較し、植物関連環境違反通知書の発行が81%増加。罰金額が63%、差押さえ件数が51%、差押さえ面積が49%増加した。カンポ・セラード地帯でも、植物関連違反通知発行が24%。罰金額が130%、差押さえ件数が38%、差押さえ面積が26%増加している。チコ・メンデス生物多様性保全研究所の取締でも、2024年8月から2025年7月にかけ、アマゾンで取締312件、1,301件の違反通知と816件の差押さえを実行。セラード地域では91件の取締、402件の違反通知と218件の差押さえが実行された。
ルラ政権の政策により、2022年以降のアマゾンとカンポ・セラードにおける森林伐採による二酸化炭素排出量は7億3,390万t減少。この量は、2022年のスペインとフランスの年間排出量合計に相当する。
一方、アマゾンやカンポ・セラードでは、農地拡大による森林破壊が減少した反面、森林火災のリスクが増加している。背景には、気候変動による高温乾燥化がある。
【参照ページ】In 2025, deforestation fell by 11.08 percent in the Amazon and by 11.49 percent in the Cerrado
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