
日本政府は12月23日、5月に制定されたAI法に基づき、AI基本計画を閣議決定した。汎用分野ではなく、業界や業務に特化したAIの分野を追求することを掲げた。
【参考】【日本】AI法、成立。政府によるAI戦略本部や基本法策定を明記。基本法的性格(2025年5月29日)
同基本計画では、環境認識として、生成AIを筆頭に急速な技術進歩が起きており、2025年に入ってからも自律的に業務を実行できる「AIエージェント」、現実世界でロボット等を動かす「フィジカルAI」といったAIに関する新技術が進展していると表明。その中で、日本では、AIが日常の生活や仕事の上で積極的に利活用されるものとなっておらず、AI関連の開発・投資についても、経済規模が小さい国にも後塵を拝するようになり、出遅れが年々顕著になっていると危機感を示した。
そこで、今回の計画では、効率化や生産性向上による業務改善分野のAIではなく、新事業・新市場創造や社会課題解決、インクルーシブ成長、安全保障強化を実現できるAIの分野で、課題にAIを積極適用し、経験をデータとして集積、組織を越えて共有していく「信頼できるAI」を戦略分野として標榜。「フィジカルAIの探究、AI駆動の研究開発で世界をリードし、AIのフロンティアを開拓する」と表明した。
また、「危機管理投資」及び」成長投資」の中核として、AI戦略を今一段と進化させるには、「イノベーション促進とリスク対応の両立」を一層徹底することが重要とし、積極的に対処すべきリスクとして、誤判断、ハルシネーション等、不適切な情報の出力といった技術的リスクに加え、差別や偏見の助長、犯罪への利用、過度な依存、プライバシーや著作権等の財産権の侵害、環境負荷の増大、偽・誤情報の拡散、雇用・経済不安といった社会的リスクやサイバー攻撃等の安全保障上のリスクにも言及した。
同基本計画では、AI関連技術の研究開発及び活用を推進するための「3原則」として、…
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