国連責任投資原則(PRI)は10月16日、機関投資家に関する気候変動政策の状況をまとめた情報発信を行うと同時に、9月12日に機関投資家に対し気候変動への対応を促すPRIのレポート「The Inevitable Policy Response(IPR): Act Now」を発表した。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が10月8日に「1.5℃特別報告書」を発表したことを受け、機関投資家に対し気候変動への認識と対応を強めるよう求めている。
【参考】【国際】IPCC、「1.5℃特別報告書」発表。1.5℃気温上昇でも災害拡大、迅速な異次元アクション必要(2018年10月9日)
EUでは、EU上院の機能を果たす加盟国閣僚級会合「EU理事会」が10月9日、1.5℃特別報告書発表を受けた対応文書を採択。欧州委員会に対し、1.5℃特別報告書の内容を踏まえた政策の立案を促した。
米国では、有力民主党議員であるエリザベス・ウォーレン連邦上院議員が9月17日、米上場企業に対し気候変動リスク情報の開示を義務化する「気候リスク開示法案」を発表。上場企業に対し、二酸化炭素の直接排出量及び間接排出量、保有または運用管理している化石燃料資産額、シナリオ分析結果、リスクマネジメント戦略の開示を義務化するよう米証券取引委員会(SEC)に命ずる内容。同法案にはすでに、他の民主党議員の他、米国機関投資家グループ19団体も支持を表明している。
PRIも9月12日、気温上昇を50%から66%の確率で1.5℃から1.75℃に抑制するための提言レポートを「The Inevitable Policy Response(IPR)」を発表した。各国政府に対し政策強化を求めるとともに、投資家に対しても実施すべきアクションをまとめた。
【参照ページ】Quarterly update: is a potentially disruptive policy response to climate change inevitable?
【参照ページ】Climate change: Council adopts conclusions
【参照ページ】Warren, Colleagues Unveil Bill to Require Every Public Company to Disclose Climate-Related Risks
【レポート】The Inevitable Policy Response(IPR): Act Now
【ウェブサイト】THE INEVITABLE POLICY RESPONSE TO CLIMATE CHANGE