
フランス・パリの地方裁判所は2月20日、スイス金融大手UBSが顧客に脱税及びマネーロンダリングを違法に勧めたとして45億ユーロ(約5,600億円)罰金を命じた。銀行1社に対する罰金では過去最大額という。フランス政府は租税回避に対する取り締まりを強化しており、欧州の金融機関に波紋が広がっている。UBSは控訴する構え。
今回の裁判は、7年間の捜査の後、2018年秋に開始。同裁判所は、富裕層顧客に対しフランス国外に資産を移すよう持ち掛け、数十億ユーロの資産を隠す手助けをしたと判断した。仏検察は、UBSはスイスの社員を、ゴルフトーナメント、クラシック・コンサート、ハンティング等に派遣し、スイスに資産を移すことで脱税できると勧誘し、新規顧客を獲得しようとしていたという。また、検察は、派遣された社員は、ロゴ無しの名刺や、データを瞬時に抹消できるソフトウェアが入ったパソコンを持ち歩いていたと、「組織ぐるみ」の違法行為を主張していた。フランスの法律では、マネーロンダリングに関与した場合、関与額の半分の罰金が命ぜられる。
UBSは当初、協議和解を目指したが、罰金額で検察と折り合わず、裁判所の判断を仰ぐ形となった。罰金額は、37億ユーロが脱税に対する罪で、8億ユーロがフランス国家に与えた損害賠償。UBSの仏子会社にも、共犯として1,500万ユーロ(約19億円)の罰金が科した。また、UBSの元経営陣6人のうち5人に対しても、執行猶予付きの懲役と5万ユーロから30万ユーロまでの罰金刑に処した。
UBSの2018年の当期利益は49億ユーロ(約6,200億円)で、今回の罰金により利益の大半が吹き飛ぶ。控訴した場合、判決が最終決着するまでは罰金を支払わなくてよいが、決着までには数年かかると見られている。
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