EU上院の役割を担う加盟国閣僚級のEU理事会は10月19日、欧州委員会が採択した「Farm to Fork」戦略を承認する決議を採択。今回、加盟国閣僚での合意に漕ぎ着けたことで、今後欧州委員会での共通農業政策(CAP)中に、Farm to Fork戦略が組み込む具体的な検討が始まることとなった。
Farm to Fork戦略は、2030年までに殺虫剤の使用量を半減、肥料使用量を20%減、過栄養での栄養ロスを半減、畜産と水産での抗菌薬使用量を半減、オーガニック農業での生産面積を全体の25%に引き上げの5項目で目標を設定している。
【参考】【EU】欧州委、オーガニック農業の政策的促進でパブコメ募集。新法施行は1年延期(2020年9月20日)
EU理事会は今回、Farm to Fork戦略を実行にする当たり、「2050年のカーボンニュートラルの実現をしながら食料価格も安く抑える」と「一次生産者の公正な所得と協力な支援を確保する」の2つを要求した。そのため、EU法制定の前にインパクト・アセスメントを実施することも要求した。
また、重要政策として掲げられている殺虫剤や肥料の削減については、EU域外とのレベル・プレイング・フィールドを確保する観点から、慎重を期しながら導入するよう注文を付けた。特に、域外諸国からも同様の政策コミットメントを引き出すべきとした。
加えて、Farm to Fork戦略で提示した定量目標については、EU全体の目標数値であり、加盟国毎の目標については個別の事情を勘案するよう要求した。
欧州委員会は、今後、国別の勧告書を作成していくが、勧告書には法的拘束力は設定しない方針をすでに固めている。
【参照ページ】Council prioritises actions for sustainable food systems: conclusions on the farm to fork strategy
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