米アップルが、全世界の事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うという目標の達成に向け、また一つ大きな一歩を踏み出した。
アップルは11月15日、シンガポールにおける事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うと発表した。シンガポールのクリーンエネルギー最大手、サンシープ・グループと提携し、2016年1月から100%再生可能エネルギー由来の電力供給を受ける。シンガポールにおいて事業運営の100%を再生可能エネルギーで賄う企業はアップルが初となる。
なお、両社の提携の中にはアップルからサンシープへの太陽光発電プロジェクトに対する資金援助も含まれている。また、アップルは同時にシンガポールのアップルストア第1号店をオープンすると発表した。同店舗の電力も全て太陽光発電で賄われる。
サンシープはシンガポール中の800以上の建物の屋上に設置した太陽光パネルで発電し、毎時40ギガワットのクリーン電力をアップルに供給する。シンガポールは国土が狭いため、最も効率が良く拡張性も高い再生可能エネルギーは建物の屋上を利用した太陽光発電となる。
今回の提携にあたり、アップルの環境担当副社長を務めるLisa Jackson氏は「今回の提携により、2500名の従業員が働くオフィスや新たなストアも含め、我々のシンガポールにおける全ての電力需要が賄われることになる。我々は、太陽光エネルギーをシンガポールにもたらし、全世界の事業運営を100%再生可能画エネルギーで賄うという我々の目標達成に近づけてくれる新たな道を切り拓くために、サンシープおよびシンガポール政府と協働できることをとても嬉しく思う」と語った。
アップルは今年の10月にも中国四川省で建設を進めていた40メガワットの太陽光発電所が完成し、中国における事業のカーボン・ニュートラルを実現したばかりだ。また、自社だけではなくサプライチェーン全体におけるカーボン・ニュートラルを目指し、中国全土で200メガワット以上のメガソーラーを設置するという計画を発表している。(※参考記事:「【中国】アップル、フォックスコンらと協働し中国の再生可能エネルギー導入を加速」)
急速な経済成長と市場拡大が見込まれるアジアは、今後のアップルの事業展開においてもますます重要性が高い地域となることは間違いない。今回のサンシープとの提携はそのための持続可能な事業基盤づくりに向けた大きな足掛かりとなる。
【参照リリース】Apple to power Singapore operations with renewable energy
【参照リリース】Sunseap Group to provide Clean Energy to power 100% of Apple’s operations in Singapore – a landmark arrangement in Southeast Asia
【企業サイト】Apple
【企業サイト】Sunseap Group
(※写真提供:TonyV3112 / Shutterstock.com)
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