Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【イギリス】WRAP、世界の食品廃棄レポート2020年版公表。2030年半減に260社がコミット

 英サーキュラーエコノミー推進NGOのWRAP(Waste & Resources Action Programme)は9月24日、食品関連の調査・研修を行う英独立シンクタンクNGOのIGDと協働し、世界の食品廃棄に関する2020年版進捗レポート「Food Waste Reduction Roadmap Progress Report 2020」を公表した。

 「Food Waste Reduction Roadmap」は2018年9月、国連持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット12.3「2030年までに食品廃棄物を50%削減」を達成するためのロードマップとして、WRAPが発表したもの。発表の時点で、英大手企業を中心とした90社が同ロードマップへの賛同を示していた。

【参考】【イギリス】食品関連大手90社、NGO策定の食品廃棄物削減ロードマップに賛同。テスコ、ユニリーバ等(2020年10月2日)

 今回発表の進捗レポートでは、同ロードマップにコミットした企業が、約260社と2倍以上になり、食品企業に絞っても210社以上となった。現在の加盟企業は、テスコ、セインズベリー、マークス&スペンサー、ウェイトローズ、アルディ、Lidl、ブーツ、スターバックス、バーガーキングUK、マクドナルド・レストラン、KFC、ピザ・ハット・レストラン、ユニリーバ、ネスレUK&アイルランド、ペプシコUK&アイルランド、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズGB、ダノン、ゼネラル・ミルズ、クラフト・ハインツ、マースUK、モリソンズ・マニュファクチャリング、ヒルトン・フーズUK、ケロッグ等。

 さらに過去12ヵ月間で、同ロードマップへのコミットを決めた企業のうち、70社以上が「Target-Measure-Act」アプローチを採用、定量目標に基づくマネジメントを開始していたことがわかった。大手企業では、仏環境サービス大手ヴェオリアやスエズ、廃棄物管理英ビファ等も加盟。中小企業の参画も目立ち、Joseph Robertson、Stockan's Oatcakes、Bute Island Foods等がデータを提出した。

 また同レポートでは、「Target-Measure-Act」アプローチの導入が、食品ロスや食品廃棄に関する透明性を高めていると分析。高品質の食品ロスを可能な限り再配布できるようにすることで、食品企業の新型コロナウイルス対策に貢献するとした。

 さらに、業界別の企業の進捗状況も報告した。

小売
 テスコは2017年、小売業界として初めて「Target-Measure-Act」を活用。サプライチェーン上の各地へ対象範囲を拡大している。海外サプライヤーを含むサプライヤー54社の食品廃棄データを公開した。

 また、セインズベリーとウェイトローズは、バリューチェーン全体でパートナー企業と協働し、食品廃棄に取り組むプロジェクト「Whole Chain Projects」を開始した初めての小売企業となった。同プロジェクトは、2020年末までに50社が参画することを目標としており、参画企業増加に向け、WRAPはガイドライン「Whole Chain Project Toolkit」を発表した。

 その他5社が、同様のデータを公開。食品廃棄量を平均15%の削減し、5社の年間合計で2万tの削減に寄与していると明らかにした。

製造
 ロードマップ策定に取り組む製造企業の約80%は、「Target-Measure-Act」活用の証拠を提示。同社らで全セクターの3分の1を占める。過去データとの比較では、食品廃棄約16万t削減を実現した。

 また、2020年には、新製品開発や製造プロセス改善、従業員研修、注文仕様最適化のための消費者との協働等、幅広くイノベーションが採用。同レポートでは、各企業の具体的な進歩に関するケーススタディも紹介した。

農林水産業
 2020年版レポートでは、農林水産業にも注目。WRAPの試験運用プログラムに準じ、3月には実用ガイダンスが策定され、英国を含む各国で、廃棄量の測定が開始された。

ホスピタリティ・飲食店
 ホスピタリティ・飲食店では、新型コロナウイルス・パンデミックを受け、余剰食品の迅速な再分配や、新たな事業モデルの誕生等が巻き起こったと分析。困難な状況下でも、ロードマップ策定企業は36社まで増加したという。新たな参画企業は、バーガーキング英国法人、マクドナルド英国法人、プレタマンジェ等。

【参照ページ】UK named ‘exemplar’ as Food Waste Reduction Roadmap membership passes 210
【参照ページ】The Food Waste Reduction Roadmap Progress Report 2020

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。