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【インド】政府、海外からインドNGOへ寄付送金を実質禁止。NGOには新たな戦略求められる

 インド下院は9月21日、海外寄付規制法(FCRA)の改正法案を可決し、改正法が成立した。インドでは、海外からの寄付金が社会連帯や経済発展を阻害するという慎重な見方が以前からあり、今回、海外からの寄付を大幅に制限した。これにより、インドのNGOやNPOは、海外から寄付金を受けることが非常に難しくなった。

 同法はまず、インド国内のNGO・NPOに対し、国民識別番号(アドハー)の取得を義務付けた上で、海外送金の受取については、インドステイト銀行のニューデリー支店以外の銀行口座で受け取ることを禁止。さらに同口座で受け取った海外送金資金を、他の口座に送金することも禁止。また団体には半年毎に政府からライセンスを取得することを義務付け、ライセンス更新時には政府のチェックを受ける義務付けた。これに伴い、実質的にインドのNGOやNPOは海外から寄付金を受け取ることができなくなった。

 加えて、インド国内のNGOやNPOは、海外から受け取った資金のうち、事務的支出(Administration Expense)を20%以下にすることを義務付けた。以前の規制では、「50%以下」が基準であったため、大幅に基準が厳しくなった。またNGO・NPOだけでなく、政府機関に対する寄付も禁止された。

 インド政府は、以前から国際NGOに対する警戒感を強めてきた。2014年には、グリーンピース・インターナショナルやClimateWorksからの海外送金に対し個別承認を義務化。同年にはセーブ・ザ・チルドレンやオックスフォラムに対しても「経済発展に悪影響を与えている」と政府から言及されたこともあった。インドにはNGOが数万あると言われており、そのうち海外送金の受取でも2万のNGOが政府公認で行っているが、活動内容が政治アドボカシー色が強くなるにつれ、政府の警戒感が強くなってきたという経緯がある。テロ資金化するリスクも感じている。

 インド国内で活動しているNGOのうち、海外から寄付金を得ているところは少なくない。今回の法改正に伴い、NGOには新たな戦略が求められるようになった。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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