英小売大手テスコは10月9日、サステナビリティ・リンク・ローン型のコミットメントラインの(融資枠)を25億ポンド(約3,400億円)設定したと発表した。既存の30億ポンド分のコミットメントラインから切り替える。BNPパリバがアレンジ銀行。期間は3年。
サステナビリティ・リンク・ボンドは、事前に設定したKPIを達成すると金利が下がるローン。今回のコミットメントラインでは、スコープ1とスコープ2の二酸化炭素排出量削減率、電力での再生可能エネルギー調達率、英国での食品廃棄物削減率(飼料としてのリサイクル含む)の3つの環境目標でKPIを設定した。同社は、マテリアリティの高い分野でKPIを設定したと言及した。
同社は2017年に、1.5℃目標と整合性のある気候変動目標として、2030年までに再生可能エネルギー100%での事業運営に切り替えることを宣言。また2013年から自社での食品廃棄物の量も情報開示している。
また今回のコミットメントライン設定では、金利設定でLIBORを使うことをやめ、ポンドでは「ポンド翌日物平均金利(SONIA)」、米ドルでは「担保付翌日物調達金利」、ユーロでは「EURIBOR」を活用する。
同社は10月14日には、植物由来食品の取扱を拡大することも表明している。同社は、小売企業として、環境や社会の観点から特定食品ブランドを育成するプログラムを設けており、今回の発表では、新たに7ブランドが育成プログラム対象に認定された。そのうち3つは植物由来食品で、具体的には植物由来代替肉「THIS」、調味料「Dr Will’s」、ビーガン用スイーツ「Buttermilk」。今後、テスコの製品チームから1年間のアドバイスやサポートが得られる。
同社は10月12日には、人権侵害への関与を理由に、ケニア食品大手Kakuziからのアボガド調達の停止も決めた。Kakuziのケニア人従業員79人は同日、親会社Camelliaを相手取り英国の裁判所に提訴。2009年から2020年の間に、警備員により、殺傷、レイプ、暴行、監禁等の重大な人権侵害を受けていると主張している。ケニア人権委員会(KHRC)及びオランダの多国籍企業研究センター(SOMO)も今回の提訴を支持している。
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【参照ページ】Plant-based brands among Tesco’s new Incubator cohort
【参照ページ】Camellia Plc faces legal claim in London for alleged systemic human rights abuses by its Kenyan subsidiary
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