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【ドイツ】メルセデス・ベンツ、全車種EV化。バッテリー生産も開始。巨大キャンパス建設へ

 自動車世界大手独ダイムラーの高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」は3月23日、ドイツのウンターテュルクハイムにあるヘーデルフィンゲン工場で、同ブランドの電気自動車(EV)車種向けのバッテリー生産を開始した。同工場は、同ブランドのEV車種生産の本拠地「メルセデス・ベンツ・ドライブ・システム・キャンパス」へと変貌を遂げており、バッテリーとトランスミッションを一貫生産できるラインを整備した。

 メルセデス・ベンツは、2020年10月に全車種をEV化していく戦略を発表。共通車体プラットフォームとして現在、「EVアーキテクチャ(EVA)」を展開しており、さらに車種を拡大するため「メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャ(MMA)」の開発を進め、2025年から展開することを計画している。

 EV車種ブランド「EQ」では、すでにSUVタイプの「EQC」、小型SUVタイプの「EQA」、ミニ版の「EQV」の3種が欧州で販売。さらに初のセダンタイプで同ブランドのSクラスのEV車種「EQS」を2021年に発売することを皮切りに、Eクラスの「EQE」、SUVでもGLSクラスの「EQS SUV」、GLEクラスの「EQE SUV」、GLBクラスの「EQB」を2022年までに発売する。他の車種「AMG」「Maybach」「G」もEV化する。

 同工場で生産するEVバッテリーは、EQEとEQS向け。メルセデス・ベンツは2020年8月に、中国CATL(寧徳時代新能源科技)とのパートナーシップを発表。航続距離700km以上を目指している。同ブランドは他にも、中国Farasis(孚能科技)や米Sila NanotechnologiesともEVバッテリーの研究開発で提携している。

【参考】【国際】メルセデス・ベンツとCATL、EVバッテリー技術開発で業務提携。CATLの存在感拡大(2020年8月10日)

 ヘーデルフィンゲン工場に建設している「メルセデス・ベンツ・ドライブ・システム・キャンパス」の特徴は、生産だけでなく、EVバッテリーのための研究開発も行っている。基礎研究、セル生産、二次利用、廃バッテリーのリサイクルまで幅広く世界をリードする体制を整えた。サーキュラーエコノミーも射程に入れた。2021年からは、EQS向けのバッテリー生産を開始し、2023年からは小規模モジュールのバッテリーの生産も行う。

 他にも、ブリュールにあるバッテリー工場では、2022年からプラグインハイブリッド車(PHV)用のバッテリーを生産。20km離れたジンデルフィンゲンの工場「Factory 56」では、EQS車両の生産を2021年後半から開始する。

 メルセデス・ベンツは、2039年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にすることを目標として掲げ、サプライヤーにもそれを要求。「メルセデス・ベンツ・ドライブ・システム・キャンパス」もそれを体現するものとなる。開発するバッテリーも、コバルトの含有量を10%削減し、ニッケル、コバルト、マンガンの比率を8:1:1とした。「Factory 56」は2022年から工場でのカーボンニュートラルを実現。3月26日には、2022年からドイツ全土の工場でカーボンニュートラルを実現できる見通しを示した。

 メルセデス・ベンツは、EV充電サービス「Mercedes me Charge」も展開しており、3月22日には新たに新機能「Plug & Charge」を発表。ユーザー認証も不要で、接続するだけですぐに充電が始まり、自動的に決済される。Mercedes me Chargeは現在、欧州で20万ヶ所、世界全体で50万ヶ所の充電ネットワークを持つ。Mercedes me Chargeは、日本では、CHAdeMO(チャデモ)規格に対応した双方向(充電と給電)充電サービスを開始する予定。

 さらに同ブランドは3月26日、大型バン「Sprinter」のEV車種「eSprinter」をベースとした、初のEV救急車も発表している。

【参照ページ】Mercedes-EQ starts production of battery systems for the new EQS and expands EV expertise
【参照ページ】Mercedes-Benz Drive Systems Campus: Stuttgart-Untertürkheim gears up for “Electric First” future
【参照ページ】Mercedes-Benz Vans is electrifying Ambulance vehicles
【参照ページ】Convenient for the customer, good for the environment – the EQS and its holistic charging concept
【参照ページ】New Mercedes-Benz strategy announced - targeting structurally higher profitability
【参照ページ】Unique green power concept: Mercedes-Benz to source CO2-free electricity from solar, wind and hydropower from 2022 onwards

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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