【国際】ブルームバーグ、COP26に向けアクション加速。英印両政府とCLFIインド発足

　米ブルームバーグ創業者マイケル・R・ブルームバーグは9月1日、11月の第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議（COP26）に向け、アントニオ・グテーレス国連事務総長の野心的な行動の呼びかけをプログラムを発表した。企業や民間金融機関の資金を動員することを促進する。同氏は、気候野心・ソリューション担当の国連事務総長特使も務めている。

　今回のプログラムでは、金融情報世界大手ブルームバーグとブルームバーグ・フィランソロピーズが、世界中の政府、企業、NGOによる気候変動対策を促進するために、11月までの8週間にわたり、情報発信で特集を組む。具体的には、英国の各都市で啓発イベントを開催するとともに、同社のメディアで無料閲覧コンテンツを展開。同社リサーチ子会社ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス（BNEF）やブルームバーグ・インテリジェンスも分析レポートを発信していく。

　ブルームバーグ・フィランソロピーは、COP26に向けて、国連への支援として1,050万米ドル（約12億円）を拠出することも決めた。同財団は、米トランプ大統領がパリ協定離脱を決めた際にも、米政府の国連分担金を肩代わりするため3,250万米ドル（約35億円）を拠出していた。また、開催都市グラスゴーには、芸術オブジェ等を寄付し、アートの力も活かして気候変動ムーブメントを盛り上げる。

　ブルームバーグは早速、9月2日、英政府とインド政府の協力取り付けに成功している。英政府とインド政府は同日、第11回インド・英国経済金融対話（EFD）を開催。その場で、2019年にマイケル・ブルームバーグCEOが国連のアントニオ・グテーレス事務総長の要請により発足したイニシアチブ「気候ファイナンス・リーダーシップ・イニシアチブ（CLFI）」への参加を発表し、「CLFIインド」の発足を表明した。

【参考】【国際】欧州開発金融機関協会EDFIと機関投資家団体CFLI、途上国向け低炭素ファイナンスで官民連携推進。GPIFも（2019年10月2日）

　CLFIインドの議長には、マッコーリーグループのシェマラ・ヴィクラマナヤケCEO兼マネージングディレクターとタタグループのナタラジャン・チャンドラセカラン会長が共同議長を務め、インドの主要企業やグローバル企業、金融機関で構成。インドの再生可能エネルギー化加速で民間資金を動員する。この活動を、英政府、インド政府、シティ・オブ・ロンドン自治体（シティ・オブ・ロンドン・コーポレーション）、グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ、ブルームバーグが支援する。

　インドは、カーボンニュートラル経済に向けた大胆な転換を図っており、過去10年間で、クリーンエネルギーをはじめとする低炭素分野が急速に成長。インドの風力発電・太陽光発電の設備容量は5倍に増加し、2020年には76GWに達する見込み。しかし、インドが450GWの再生可能エネルギー目標を達成するためには、電力セクター全体で6,490億米ドル（約70兆円）の追加資金が必要で、民間資金が資金ギャップを埋めると期待されている。

【参照ページ】UN Special Envoy Michael R. Bloomberg Launches Corporate and Philanthropic Effort to Support Successful Climate Progress at COP26
【参照ページ】Governments of India and the United Kingdom Join Forces with UN Special Envoy on Climate Ambition and Solutions Michael Bloomberg to Mobilize Private Capital in Support of India’s Low-Carbon Transition

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