韓国芸能事務所大手JYPエンターテインメントは8月3日、同社初のESGレポートを公表。同社創業者兼取締役CCO(クリエイティブ総括責任者)のパク・ジニョン(J.Y.Park)氏は同日公開のYouTube上でプレゼンテーションを行い、同社スローガンの「LEADER IN ENTERTAINMENT」の一環として、「Leader of Change」を標榜。地球・社会・人の変革でリーダーを目指すと語った。
JYPエンターテインメントは、TWICEやNiziU等のアーティストを抱える大手。SMエンターテインメント、YGエンターテインメントと共に韓国三大芸能事務所とも呼ばれている。韓国の芸能事務所大手では、7月にSMエンターテイメントが国連グローバル・コンパクト(UNGC)への加盟を発表。急速にESG経営へ舵を切り始めている。
【参考】【韓国】芸能大手SMエンターテイメント、国連グローバル・コンパクトに加盟。ESG経営強化(2022年7月7日)
環境分野では、グリーン電力証書の購入により、同国エンターテインメント業界として初めて100%再生可能エネルギー転換を達成。6月には、韓国エネルギー公団から韓国版RE100(K-RE100)履行を承認された。
韓国版RE100(K-RE100)は、韓国政府による独自制度。企業に対し2050年までに再生可能エネルギー電力への100%転換を求めている。同制度では、再生可能エネルギーと認められるのは、韓国電力公社(KEPCO)に対し、需要家がグリーンプレミアムを支払った電力、KEPCOを通じ電力購入契約(PPA)締結で調達した電力、需要家でグリーン電力証書を購入した電力、再生可能エネルギー発電事業者の株式購入、同社とのPPAやグリーン電力証書購入契約の締結により調達した電力、オンサイトでの再生可能エネルギー発電による電力の5種類。
社会分野では、労働時間と勤務地の柔軟性の確保、従業員向けメンタルケアサポートの提供等を実施。2021年からは、オンラインでのメンタルケアも開始し、アーティストを含む全従業員が時間的、空間的制約なしに専門家に相談できる体制を整えた。その他、従業員による労働環境の改善提案制度を導入。2021年時点で9件が採用されたという。
また所属アーティスト及び練習生向けには、歌唱・ダンストレーニングだけでなく、人間性やジェンダー平等に関する研修も実施。健康診断、基礎体力増進、有機栽培を主とする食事の提供等でも支援する。
さらに取引先企業向けには、行動規範「JYPパートナー公正協力ガイド」を策定。同社の全取引先に対し、透明性があり、倫理的な労働環境の担保を求めるとした。
ガバナンス分野では、2022年に女性社外取締役を選任し、取締役会の女性比率25%と社外取締役比率50%を達成。また監査委員会、報酬委員会、ESG委員会を新たに設置した。
また同社は8月8日、同国・釜山で9月に開催される第7回海洋ごみ国際会議(IMDC)に先駆け、所属アーティストを通じた海洋プラスチックごみ問題の啓発動画も公開した。
【レポート】JYP Entertainment ESG Report 2021
【参照ページ】2021 JYP ESG REPORT
【参照ページ】보도/해명
【参照ページ】The rise of South Korea: is the market open for business?
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