2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」は11月24日、プライベートエクイティ及びプライベートデットの運用会社に対し、投融資ポートフォリオのカーボンニュートラルを実現するよう求める声明を発表した。
NZAOAは以前から運用会社に対し、投融資ポートフォリオでのカーボンニュートラルを求めているが、今回は明確に非上場企業向けの運用会社に対し、カーボンニュートラルを実現するよう求めた形。背景には、非上場企業でのカーボンニュートラルが遅れていることがある。
今回の共同声明では、まず、非上場企業向けの運用会社に対し、スコープ1と2の排出量を2023年度までに、投融資のスコープ3の排出量を2024年度までに開示するよう要請。また、投融資先のスコープ1と2の排出量のカーボンニュートラルを実現する目標の設定を2025年までに行い、関係セクター毎の期限を設けたカーボンニュートラル目標を同じく2025年までに設定することも求めた。また、投融資先の中間削減目標やアセットクラス毎の目標を定めるとともに、Net Zero Asset Managers(NZAM)等のイニシアチブに加盟するよう要請した。
NZAOAは、国連気候変動枠組条約第27回シャルム・エル・シェイク締約国会議(COP27)の終了直後にも声明を発表。損害・損失(ロス&ダメージ)の分野で国際基金の設立が決まったことを歓迎したが、各国のカーボンニュートラル目標レベルの引き上げを図る合意に至らなかったことに懸念を示した。1.5℃目標の達成には、国別削減目標(NDC)の引上げが必要であり、各国政府が、化石燃料の段階的削減と最終的な廃止のための短期間での明確かつ意味のあるコミットメントが重要との見方も示した。
【参照ページ】Net-Zero Asset Owner Alliance outlines requests for asset managers in private markets
【参照ページ】Net-Zero Asset Owner Alliance’s statement on COP27 outcomes
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