EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は4月25日、航空業界での二酸化排出量削減義務を規定する「ReFuelEU Aviation規則」案で政治的合意に達した。今後、双方での立法審議に入る。
同規則は、欧州委員会が提案した「Fit for 55」政策パッケージの一環。2025年以降、航空燃料供給会社に対し、持続可能な航空燃料(SAF)の含有割合を段階的に増やすことを義務化する。具体的には、2025年時点では2%から始まり、2050年までに70%にまで持っていく。また最先端の混合燃料の含有量割合も段階的に高めていく。
混合燃料については、立法中の再生可能エネルギー指令に基づき、バイオ燃料、再生炭素燃料、合成航空燃料(eFuel)を対象。但し、食料および飼料作物は除外する。EU域内で生産できる混合燃料を活用することで、エネルギー自給率を高めるとともに、エネルギー部門で数千人の新規雇用創出を目指す。
【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、再エネ指令改正で政治的合意。イエロー水素は2級品扱い(2023年3月31日)
また同規則は、空港運営組織に対しては、整備されている燃料供給インフラがSAF供給に適したものにすることを義務化する。航空会社に対しては、当該フライトに必要な量以上の燃料を意図的に積み込み、途中での給油を回避する「タンカリング」行為を禁止する。これにより不必要な機体の重量増やカーボンリーケージを防ぐ。
欧州委員会は、同規則により、2050年までに航空からの二酸化炭素排出量を3分の1削減できるとみている。
【参照ページ】European Green Deal: new law agreed to cut aviation emissions by promoting sustainable aviation fuels
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