
EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は3月30日、再生可能エネルギー指令の改正で政治的合意に達した。2030年のEU域内のエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合目標を現行の32%から42.5%にまで引き上げる。今後、双方での立法手続きに入る。
再生可能エネルギー割合の引上げは、2021年7月に欧州委員会が発表した包括的気候産業規制「Fit for 55」で示されていた。当初欧州委員会は40%への引上げを掲げており、EU理事会も支持していた。しかし、ウクライナ戦争後に欧州委員会が発表した「REPowerEU」政策では、目標を45%に引上げる方針を表明。今回、最終的に最低42.5%、努力目標45%目標とすることでEU理事会および欧州議会と合意に至った。
【参考】【EU】EU理事会、再エネ割合40%への引上げで合意。データセンターも省エネ対象(2022年6月28日)
【参考】【EU】欧州委、包括的気候産業規制「Fit for 55」採択。国境炭素税も盛り込む。大企業賛同(2021年7月15日)
【参考】【EU】欧州委、REPowerEU採択。ロシア産天然ガス依存度低下へ28兆円。原発も言及(2022年5月20日)
同指令で掲げる目標は、電力だけでなく、エネルギー全般が対象。EUの再生可能エネルギー割合は2021年時点で21.8%であり、あと7年で約2倍にすることになる。同比率の達成では、水素も重要なエネルギー源となるが、原子力エネルギーを活用して生成したイエロー水素を、同指令の「再生可能エネルギー」に含めるかで最後まで揉めた。
EUはすでに水素では、ブルー水素を支持しない姿勢を決めている。そのため、欧州委員会は、2022年5月に再生可能エネルギー指令改正を見据え、5月にグリーン水素と合成燃料の適格性を定める委託法令を発表している。今回、この「グリーン水素」に、…
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