世界保健機関(WHO)は7月17日、最新の科学的エビデンスに基づき、総脂質、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、炭水化物に関する栄養指針を改訂した。
今回改訂したのは、「WHOガイドライン:成人と小児の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸摂取量」「WHOガイドライン:成人と小児の不健康な体重増加予防のための脂質摂取量」「WHOガイドライン:成人と小児の炭水化物摂取量」の3つ。
今回の改訂内容では、まず、成人の総脂質摂取量を総エネルギー摂取量の30%以下に抑制すべきであることを再確認した。また、総脂質の摂取では、食事中の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸ではなく、植物由来の多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸での摂取を推奨。
糖質の摂取では、全粒穀物、野菜、果物、豆類等の天然由来の食物繊維を含む食品での摂取を推奨した。
【参考】【国際】WHO、非糖類甘味料の非推奨を勧告。英国栄養財団は使用継続を推奨(2023年5月31日)
その上で、2歳以上のすべての人が摂取する脂肪は主に不飽和脂肪酸であるべきとし、飽和脂肪酸からの摂取は総エネルギー摂取量の10%以下、工業的に生産されたものと反芻動物由来のトランス脂肪酸からの摂取は総エネルギー摂取量の1%以下とすべきとした。飽和脂肪酸は、脂肪分の多い肉、乳製品、バター、ギー、ラード、パーム油、ココナッツ油等の硬質油脂に含まれている。トランス脂肪酸は、焼き菓子や揚げ物、包装済みスナック菓子、牛や羊等の反芻動物の肉や乳製品に含まれている。
糖質については、2歳以上のすべての人の炭水化物摂取は、主に全粒穀物、野菜、果物、豆類から摂取すべきと勧告。野菜と果物の摂取量については、2歳から5歳で1日250g以上、6歳から9歳で1日350g以上、10歳以上で1日400g以上とした。天然食物繊維では、2歳から5歳で1日15g以上、6歳から9歳で1日あたり21g以上、10歳以上で1日25g以上とした。
[2022.7.29修正]
内容を一部修正した。
【参照ページ】WHO updates guidelines on fats and carbohydrates
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