
気候変動対応を企業に求める欧州機関投資家団体IIGCCは6月24日、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するため、機関投資家向けが採るべきアクションをまとめたフレームワークの第2版「ネットゼロ投資フレームワーク(NZIF)2.0」を発行した。2021年3月発行の初版を改訂した。
【参考】【国際】IIGCC、ネットゼロ投資フレームワーク策定。すでに920兆円の投資家がコミット。世界展開へ(2021年3月12日)
今回の改訂では、目標設定におけるファイナンスド・エミッション(投融資カーボンフットプリント)の位置づけを整理。ファイナンスド・エミッションの削減のみを目的とした場合、高排出セクターでの排出量削減に資金が供給されなくなるおそれがあることに鑑み、「ファイナンスド・エミッションの削減」ではなく、「排出量削減へのファイナンス」に重点を置いていることを強調した。それとともに、目標設定ではファイナンスド・エミッション削減だけを追求するのではなく、NZIFが掲げる他の目標指標と組み合わせることを促した。
また今回の改訂では、別途発行されていたインフラとプライベートエクイティ向けのNZIFを統合。さらに、国債、不動産、プライベートデットに関するNZIFも新設した。上場株式と社債に関する排出パフォーマンス基準も改定するとともに、キャッシュマネジメントでのネットゼロを実現するためのガイダンスも盛り込んだ。
【参考】【国際】IIGCC、プライベートエクイティ向けネットゼロ投資フレームワーク(NZIF)発行(2023年6月2日)
【参考】【国際】IIGCC、ネットゼロ投資フレームワークでインフラ・アセットクラスの原案発表(2022年6月18日)
NZIF 2.0は、IIGCCが策定主体となりつつも、AIGCC、Ceres、IGCCもサポートしている。初版発行以降の機関投資家でのベストプラクティスも今回の文書の中で紹介されている。
【参照ページ】Updated Net Zero Investment Framework, the most widely used net zero guidance by investors, published as 'NZIF 2.0'
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