
英金融当局のFCA(金融行為規制機構)は8月6日、機関投資家向けの気候変動及びサステナブルファイナンス関連規制を簡素化する方針を発表した。
FCAは、2021年に機関投資家向けの気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)規則を制定し、2022年1月から適用。2023年にはEUのサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)に類似する「サステナビリティ開示要件(SDR)及び投資ラベル」規則を制定している。一方、報告体系が複雑化していることから、現状の課題を把握するためのレビューを実施。冗長な内容に関して簡素化する余地があると判断した。
簡素化が可能と判断されている分野は、まず、規制適用の対象。現行の制度は、機関投資家には有意義だが、リテール投資家向けの情報開示という観点では複雑すぎる可能性があると評価された。特に、リテール投資家が主な対象となる商品単位の開示ルールについては、意義が薄い可能性があるとされた。一方、商品単位の開示報告書がホームページから見つけにくいとの声もあり、それがリテール投資家の活用状況の低さにつながった可能性も指摘された。
また、開示データのうち、過去データについては報告が容易だったが、将来展望に関する定量データでは、商品単位の報告書の約半数のみが、3つの気候シナリオ全てを用いてシナリオ分析を行っており、商品間の比較可能性が制限されていた。
大手の運用会社からは、複数のサステナビリティ開示制度下で報告を求められる点に言及し、TCFD規則の簡素化を求める声もあった。さらに、英国でも国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の基準を受け入れる検討が進められており、今後のTCFD規則の在り方について当局に明確化するよう求める声もあった。
FCAは今回、簡素化作業を始めるに際し、意見も募集している。また簡素化の中でも、グリーンウォッシュの回避や、国際基準との整合性の2つについては維持する意思を示した。
【参照ページ】Climate reporting by asset managers, life insurers and FCA-regulated pension providers
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