
デンマーク電力大手オーステッドは3月13日、ドイツ厚板製造大手ディリンガー・ヒュッテと、低炭素型鋼板の長期オフテイク調達に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。供給開始は2027年を予定。
今回調達する鋼板は、洋上風力発電のモノパイル基礎の一部に使用し、将来のプロジェクトでも活用予定。従来鋼板比で、生産工程での二酸化炭素排出量を約55%から60%削減できる見込み。
両社は2022年、普通厚板の大規模調達契約を締結。2024年から供給を開始し、洋上風力発電で最も重要な原材料へのアクセスを確保した。今回のMOUでは、調達対象を普通鋼板から低炭素型鋼板への拡大。オーステッドは、長期的な低炭素型鋼板の調達ルートを確保するとともに、デリンジャーヒュッテに対し投資を加速させる狙いがある。
デリンジャーヒュッテと親会社SHSは2022年12月、合同で35億ユーロ(約5,700億円)を投資し、ドイツのザールラント州にあるフォルクリンゲン工場に電炉プラントと直接還元鉄(DRI)工場を併設する計画を進めている。2027年の完成を予定しており、生産能力は年間350万t。2030年までに二酸化炭素排出量を55%削減できる見通し。EUとドイツ政府からの補助金獲得も目指している。
オーステッドは、2040年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル達成が目標。科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)から、カーボンニュートラル目標基準「ネットゼロ・スタンダード」の承認も得ている。今回のアクションもその一環。
【参照ページ】Ørsted secures first access to lower-emission heavy plate steel through MoU with Dillinger
【画像】Ørsted
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